<特集> 2016年春ダイヤ改正 北海道①(特集第一号・その10)
今回と次回は、今回のダイヤ改正の目玉の一つとなる、北海道をとりあげます。
1回目は北海道新幹線とその連絡列車、また第3セクターへの転換となる道南いさりび鉄道について記述していきます。
① 北海道新幹線開業ダイヤ
時刻表は上に示した通りとなりました。
新幹線は13往復設定。スーパー白鳥・白鳥と比べて3往復増加しました。なお途中駅の停車本数は奥津軽いまべつが7往復、木古内が8往復です。
北海道新幹線内の停車駅パターンは以下の表の通りです。
|
本数(往復) |
奥津軽いまべつ |
新函館北斗 |
||
A |
5 |
○ |
|
|
○ |
B |
1 |
○ |
|
○ |
○ |
C |
7 |
○ |
○ |
○ |
○ |
なお仙台始発の列車は上下ともAパターン、はやてはすべてCパターンです。
所要時間が1時間弱短縮され、また北海道到達最終列車が東京発16:20から19:20へと3時間繰り下がりました。本数ももともとの白鳥が6両編成の10往復であることを考えると需要増を見込んでも妥当かと思います。また一部歯抜けとなる時間帯はあるものの基本的には1時間~1時間半に1本の設定となりました。
また全ての新幹線に函館発着の普通・快速が、また下りの夜2本と上りの朝2本を除く新幹線に札幌発着の特急が30分以内の待ち時間で連絡することとなりました。
以下の表は改正前後で運転本数を比較した表です。
|
東京-新青森 運行本数 |
接続本数 |
新青森-函館※ 運行本数 |
函館※ 接続本数 |
函館※-札幌 運行本数 |
改正前 |
18 |
10 |
10 |
7 |
9 |
改正後 |
19 |
(直通運転) |
13 |
11 |
12 |
函館※とあるのは、改正前は函館、改正後は新函館北斗を指します。
なお改正後の新函館北斗-函館の運行本数は16本です。
(臨時列車・夜行列車は除きます。東京-新青森の本数には盛岡-新青森間・仙台-新青森間の区間運転列車を含みます。)
函館駅にて肩を並べるキハ183系「北斗」と485系「白鳥」。この改正を以って、485系の定期運用は消滅し、白鳥の名も消えることとなる。 2015.01/05
本州-北海道間の本数が改正前に比べてかなり充実した印象を受けます。新幹線化することにより設定時間帯が広がったことが大きな理由と思われます。これにより、東北-北海道間の移動はかなり便利になったと思います。
しかし、その一方で最後まで残った定期急行列車かつ定期客車列車であるはまなすが廃止されることが正式に発表されました。確かに青函トンネルを通る列車は様々な事情が重なって運行が非常に難しいのは理解できますが、さすがに函館-札幌間で定期夜行列車の運行がないのは想定外でした。(個人的には函館~札幌間を結ぶ快速ミッドナイトの復活を望んでいたのですが……)
はまなすは通常期でもそれなりの乗客がおり、繁忙期は通常の指定席ですら非常に取りにくいほど混雑するため廃止は考えにくいと思っていたのですが、JR北海道を取り巻く状況はかなり厳しいのか、定期夜行列車の存続は不可能となったようです。せめて多客期だけでも夜行臨時列車の運転を望みたいですが・・・
なお札幌-東室蘭-室蘭間でははまなす廃止の代わりにすずらんが1往復設定されています。これについては次回述べたいと思います。
夜行急行「はまなす」函館駅にて 2016.01/07
② 道南いさりび鉄道
北海道新幹線開業に伴うダイヤ改正で誕生する道南いさりび鉄道ですが、JR各社のプレス発表日と同じ日にこの会社もプレス発表を行いました。そこで示された内容は次の通りです。
・基本的には現状維持、函館乗り入れも継続
・時刻は多少の変更はあるものの運行間隔を調整する下り1本を除いて大きな変動はなし
・土休日運休だった2本を毎日運転とし、すべての列車が毎日運転に変更
また、キハ40系2両を改造して観光列車を運転するとの情報もあるので、今後の発表にも注目していきたいと思います。
函館駅の櫛型ホームに集まるキハ40系 2016.01/05
今回はここまでです。次回も北海道内の話題に触れていきます。
特集第一号の過去記事はこちら ↓
執筆:No.6902
校正:副編集長(No.7005)
写真:部長(No.6903)