<特集> 2016年春ダイヤ改正 アーバンネットワーク④(特集第一号・その4)
皆さんこんにちは。今回はいよいよアーバンネットワーク編の最後となります。
今回は大阪環状線・阪和線関連の話題を取り上げます。それでは早速ですが変更内容を見ていきましょう。
⑦大阪環状線の土休日朝(8・9時台)のダイヤパターン変更
端的にいってしまえば、変更後のこの時間帯の内回りのダイヤパターンは現在の平日夕方のそれに近いものになります。すなわち、15分おきに阪和線方面の快速(関空・紀州路快速)、大和路線方面の快速、JRゆめ咲線直通の普通、環状線を周回する普通が1本ずつ運転されるパターンが土休日朝にも導入されることになります。ただ、現在平日夕方の大和路線方面の快速は「区間快速」(環状線内各駅停車)なのに対してこの時間は「大和路快速」(環状線内通過運転)なので、これを維持すると芦原橋駅・今宮駅にとまる環状線の列車は1時間4本ということになりそうです。環状線の周回列車は年々減っていますね…。
この変更に伴い、阪和線・大和路線・JRゆめ咲線の各線直通列車が増加し、従来の毎時3本から4本となります。このため、大和路線・阪和線のこの時間帯のダイヤパターンも15分間隔を基準とするパターンに変更される可能性があります。
なお、阪和線・大和路線から大阪環状線に直通し大阪駅に8・9時台に到着する快速も各路線2本ずつの増発となっています。
⑧関空快速の増発・延長運転
今回のダイヤ改正では、前年度に引き続き関空アクセスの改善が図られています。「はるか」を増発することは第2回でお伝えしたとおりですが、関空快速の増発・延長運転も前年度に続いて行われます。
このダイヤ改正で増発されるのは土休日の午前中の2往復です。これに関してはさきほどの⑦で触れた増発とも関係し、関西空港着8・10時台、関西空港発10・11時台が増発され、到着・出発とも8・9時台は毎時3本、10・11時台は毎時4本となります。
また、深夜時間帯の関西空港発天王寺行の関空快速2本が大阪環状線に直通します。関西空港23:09発は京橋まで延長され、従来の環状線外回りの普通の終電の直前を走るダイヤとなります。
また、関西空港23:32発の列車も大阪まで延長され、こちらは従来の環状線外回りの普通の終電より後に走るため、環状線西側快速停車駅にとっては終電が延長されることになります。また、関西空港のほか、阪和線の各駅から環状線西側快速停車駅への終電も延長されることになります(関空快速の停車駅の客にとっては23分延長、和歌山の客にとっては22分延長。ただし、大阪へは現在も天王寺から内回り列車を利用すればいくことができます)。
なおこの列車の大阪到着は0:34であるため、残念ながら大阪駅から先の列車はありませんが、福島駅で急げば阪神の尼崎行き終電には乗り継げるかと思います(環状線福島駅0:31着から阪神福島駅0:37発への6分乗り継ぎ、乗り換え出来る保障はありません)。終電を事実上延長し乗り換えも減らしたこの措置によって、深夜時間帯の南海に対する競争力が一定程度上昇したといえるかもしれません。
※(2016/1/29追記) 阪神のダイヤ改正で、尼崎行き終電が5分繰り上がるため乗り換えは不可能です。
福島駅に入線する関空快速
以上、4回にわたってアーバンネットワークと呼ばれることもある京阪神地区のJR路線の変更点についてお伝えしました。次回からは別の担当者が他地域の改正内容を取り上げます。私はしばらくたってからまた書かせていただく予定です。
※近畿統括本部(京阪神エリアを管轄するJR西日本の組織)から発表されたプレスリリースには、この他に「サンダーバード」や「くろしお」についての変更も記載されていますが、「サンダーバード」については、北陸エリアの記事の担当者が触れる予定です。また「くろしお」については和歌山エリアの改正内容として後日取り上げます。
※第2回で書き忘れましたが、JR西日本の普通列車の大垣乗り入れの廃止(第2回⑤)についてですが、JR西日本とJR東海の車両使用料の調整の意味合いが強いため、今回の「しなの」乗り入れ廃止とセットで廃止されたものと思われます。「しなの」についての変更(第2回④)を東海エリアではなく京阪神エリアで触れたのはこれらをセットで扱いたかったためです。なおこの変更により、JR西日本の普通車の大垣留置はなくなる見込みですが、JR東海の普通車の米原留置は本数が減りながらも継続となりそうです。
特集第一号の過去記事はこちら ↓
執筆:副編集長(No.7005)
校正・写真:部長(No.6903)