<特集> 2016年春ダイヤ改正 阪神・山陽(特集第一号・その14)
前回の阪急神戸線に続き、今回は阪神・山陽のダイヤ改正についてとりあげます。
※阪神線のダイヤ改正については、平日の全列車に対する分析や土休日ダイヤの動きについて、各駅で配布されている時刻表をもとに詳しく分析した記事を随時掲載しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。
(上り:平日朝ラッシュ序盤まで→)http://nrcofficial.hatenablog.jp/entry/toku01_ex06
(以降現在執筆中)
①区間特急の運転区間延長・停車駅追加
区間特急にしばしば充当される8523F。直通特急の運用に就くことが出来ないために運用が限られる編成。@今津駅 2014/10/14
平日朝に青木発梅田行きが7本設定されている区間特急の始発駅と停車駅が変更されます。変更前後の停車駅の比較は次の通りです。
※普通のみが停車する駅は省略
※他の停車列車は平日朝ラッシュ時のもので「直:直通特急 快:快速急行 急:区間急行」普通は省略
区間特急の始発駅が青木駅から御影駅に変更され、御影駅・魚崎駅にも停車するようになります。現在は御影駅を普通列車が発車後に石屋川車庫を出庫・回送列車として走行し(この時点では普通→回送→快急→直特→普通の順で走行)、青木駅一番線にて快速急行と直通特急を待避してからの発車(普通→快急→直特→区特→普通)となっていますが、改正後は例えば普通列車が御影で三列車待避し、普通→快急→直特→区特→普通の順で走行するなどの列車順序の変更が考えられます。
【2016/2/20 追記】公式サイトに掲載されているダイヤ改正の案内パンフレットによれば、改正後も区間特急は青木駅で快速急行と直通特急を連続で待避することになるようです(ただし、1本目については快速急行の待避はなく、直通特急1本のみの待避となります)。
区間特急送り込み回送。この回送列車が改正後は区間特急として走行する。@魚崎駅 2014/11/21
青木駅一番線に停車する8523F。現行の二列車待避がどうなるのか注目されるところ。@青木駅 2013/05/16
また、上記の通り区間急行は始発駅である甲子園以東の、直通特急は区間特急の通過する西宮以西の乗客へと千鳥停車でターゲットを絞った運転となっている為に、他の列車・区間に比べて特に区間急行の尼崎以東で極端に偏った混雑を引き起こしていましたので、今改正で区間特急を尼崎駅に停車させることで混雑の緩和を図っているのではないでしょうか。
特に混雑の激しい区間急行。@出屋敷駅 2014/03/17
②平日朝・夜の快速急行の増発
快速急行の運転が平日朝・夜に増加します。増発・延長運転されるのは、奈良方面行きが神戸三宮7:04発大阪難波行き(大阪難波から普通東生駒行き・現行より始発を13分繰上げ)、神戸三宮8:53発大和西大寺行き(現在、定期的に天理行きの輪路快速急行として運転されている時間帯です)、神戸三宮9:17発近鉄奈良行き、神戸三宮21:33発快速急行尼崎行き(尼崎から普通大和西大寺行き・現行より終電を25分繰り下げ)の朝3本、夜1本。三宮方面行きが、尼崎7:07発神戸三宮7:32着(東花園始発・尼崎まで普通)、尼崎7:20発神戸三宮7:44着(石切始発・尼崎まで普通)、尼崎21:36発神戸三宮22:03着(近鉄なら始発・尼崎行きから延長)、尼崎23:30着(大阪難波行きから延長)の朝2本、夜2本です。
なお土休日については、これらの増発はありませんが、神戸三宮21:02発快速急行尼崎行き(尼崎から普通大和西大寺行き・現行より終電を48分繰り下げ)が増発されます。
写真の回送列車は2015/11/16 9:17に神戸三宮駅で撮影されたもの。この列車を含め、回送列車の客扱い化という形での増発となる。
③日中時間帯の直通特急等に対する変更
現在、日中時間帯に毎時4本ある直通特急のうち半数は、運転間隔の調整等のために山陽須磨~阪神三宮間で各駅に停車していますが、このうち東須磨駅・須磨寺駅が通過となり、板宿~阪神三宮間で各駅に停車する形態に変更されます。
また、平日の日中時間帯の直通特急・特急の梅田駅発車時刻が11時台~19時台について毎時0分からの10分間隔となるほか、昼間の直通特急・特急・普通の運転時分の見直しにより遅延防止が図られます。
この幕の”須磨〜三宮間は各駅に停車”の表記も見納め。
④深夜時間帯の一部行き先・発車時刻変更
上り線では、現在御影行きとなっている最終の直通特急(山陽姫路23:01発、山陽明石23:33発、神戸三宮24:03発)が尼崎行きとなります。
また、下り線では、梅田23:30発急行甲子園行きが西宮行きに延長されるほか、梅田24:00発の直通特急御影行き(現在は御影から普通元町行きに接続)が神戸三宮行きに延長されます。また、平日のみ運転される梅田24:20発の特急御影行きが急行御影行きに変更され、野田駅・武庫川駅・今津駅にも停車するようになります。西宮以西の停車駅は特急と同じで、なんば線開業前の急行停車駅とは異なります。
さらに、梅田発の尼崎行き、神戸三宮発の石屋川行きの終電が繰り上げられ、いずれも24時30分となります。また、武庫川線の最終列車の終電が上下線とも18分繰り下げられます。これまでは梅田23:10発の急行が最終接続だったところ、梅田23:30発の急行でも接続するようになります。
梅田24:00発の御影行き特急は山陽車での運転。改正後はこの列車が神戸三宮行きとなる。@西宮駅 2015/12/06
24:20発の御影行き特急は阪神車での運転。停車駅を増やし、満員の終電の普通列車の混雑緩和という狙いもあるのだろうか。 @尼崎駅 2015/12/02
⑤山陽電鉄線内 朝ラッシュ時の接続パターン変更
平日については、上りS特急の発車時刻が全体的に約10分(=13分?)前倒しとなり、行き先が5本全て阪神三宮行きとなります(現在は1本のみ山陽須磨行き)。また普通と直通特急の接続駅が見直されます。具体的には山陽明石駅で相互接続していたところが藤江駅と霞ヶ丘駅での通過待ちに変更されます。
土休日については、上りS特急3本のうち1本が直通特急に変更されます。また、上り普通列車が霞ヶ丘駅でS特急と接続していたのが、山陽須磨駅で特急とS特急に接続する形態に変更されます。
神戸三宮駅に停車するS特急。(※但し写真は下りS特急)2015/05/17
阪神・山陽関連の変更内容は以上です。次回は近鉄の変更内容のうち、阪神直通列車以外の内容を取り上げていく予定です。
執筆:副編集長(No.7005)
加筆・校正・写真:部長(No.6903)
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