灘校鉄道研究部公式ブログ

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6.四国小旅行記 【2020年灘校鉄道研究部部誌「どんこう」】

四国小旅行記

中学2年 No.7702

 

まえがき

 こんにちは。この旅行記は、夏休みに同級生の部員(以後”O君”と記す)と青春18きっぷを使って、四国に日帰りで行ってきた時のものです。部誌を書くのは初めてなので至らぬ点も多いと思いますが、最後まで読んでいただけると幸いです。

 

 

1.行程表

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2.いざ西へ

8月22日朝6時40分大阪駅、改札で青春18きっぷに印を押してもらい中に入る。押したての印を手で触ってしまったため、8/22が8/28に見えないこともない。まあ大丈夫だろうと思い、6番ホームに上がる。いつも通り混雑している。6:51発の新快速姫路行きが入線しドアが開くと、乗客は一斉に乗り込んだ。僕は、列の前から四番目で、席が取れるか不安になったが、ぎりぎり確保することができた。車内は少し立ち客が出るぐらいだった。列車は数分後、発車した。

 この時点で筆者は物凄く緊張していました。また、それと同時にわくわくもしていました。僕自身、青春18きっぷを使うのは初めてで、四国で行ったことがあるのは、鳴門だけだからです(記憶のある限り)。そんな知らない土地への希望を抱いている間に、新快速はどんどん西へ飛ばしていきます。三ノ宮に到着してO君と合流、のはずですが合流できません。連絡がうまくいってなかったみたいです。彼は姫路まで立ちっぱなしだったようです。ぼーっと窓の外を眺めて、明石城があるなぁなどと思っているともう姫路です。やはり新快速は速いですね。乗り換えようと思うと、階段が遠い&人めっちゃ多いです。ようやく反対側のホームに着いた時にはもちろんもう席は埋まっています。「このまま岡山まで1時間半立ちっぱなしかぁ」と落胆し、椅子の端の部分にもたれかかりま す。ここでもO君とは出会えません。濃黄色(まっき色)の115系は大きな音を鳴らして発車します。

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 O君と連絡を取り、竜野で合流します。途中でちょこちょこ降りていきますが、相生より先は、あまり入れ替わりはなくなります。車内は、18きっぷを持っていると思われる、大学生らしき人が多いです。電車は山の中を進んでいきます。景色は単調でトンネルが多く、ひまです。「岡姫は難所」とは聞いていましたが、納得です。他はあまり覚えていません。しいて言えば暑かったことぐらいでしょうか。岡山の手前、西川原あたりからは町が広がってきます。この西川原駅は、2008年開業の新しい駅であるためか、ほかの駅に比べてきれいです。また、就実学園が駅整備をしたため、駅名標などは、西川原・就実となっています。電車はまもなく岡山駅に到着します。

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岡山駅駅名標、オレンジ色で西国に来た感じがする

 岡山で少し時間があるので、駅名表を撮り、時刻表をもらってから、昼食を調達します。僕はコンビニでおにぎりを2つとサンドウィッチを購入します。O君はみやげ物も買っていました。そして早めに7番乗り場に向かいます。

 

3.四国へ上陸

 少し待っていると列車が到着しました。五両編成の二両目に乗車します。車内は座席が埋まる程度でした。やはり乗りなれている223系だけあって快適です。ほどなくして発車します。

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 列車は快速だけあって、飛ばし始めます。最初はずっと住宅街がつづきます。早島、茶屋町ととまり児島に到着します。ここまでは、あまり覚えていません(この後の印象が強すぎて)。児島で乗務員がJR四国に交代します。ここからがついに瀬戸大橋です。窓にかぶりつき、カメラをかまえます。陸地が下になくなると、“やっときた”というような感じになりました。本州とも8時間ほどお別れです。橋の上で、さっき買ったおにぎりを食べてほおばります。なんの変哲もないコンビニのおにぎりなのに、心なしかいつもよりおいしく感じます。窓を開けたい気分になりましたが、開けることはできません。一度陸地の上を通り、もう四国かな?と思いましたが、また海を渡り、そういえば間に島があったなぁと思います。今度こそ本物の四国が近づいてきます。それにつれて僕もワクワクしてきます。そして、四国に上陸して、宇多津駅のデルタ線を通ってすぐに坂出に到着です。坂出駅では、下の改札で時刻表をもらうと、ポスターサイズのものをいただきました。こんなに大きいと日常使いには大変です。

 

4.7200で琴平へ

 やってきたのは7200系、普通、琴平行きです。この7200系は、国鉄末期に作られた121系を、リニューアルして車番変更したものです(メカに詳しくないのでこれ以上のことはわからん)。

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 よく見るとこの車内、座席配置に違和感を覚えます。それもそのはず、片側側が固定クロスシートで、一部ドアのそばだけロングシート。反対側はロングシートです。なぜかJR四国にはこの形の車両が多いです。クロスシートは埋まっていたのでロングシートの一角に腰を下ろします。電車はさっき来た道を引き返していきます。宇多津の手前(便宜上は宇多津駅構内)で瀬戸大橋線が分岐します。海沿いを進んでいき、丸亀ではうどんを食べたいななどと思います。あそこのうどんはおいしいですよね(勧誘終了)。そうしていると多度津に到着しました。ここから、予讃線と分岐して土讃線に入ります。そして、よくある田舎の風景を眺めていると、こんぴらさんこと金毘羅神社の最寄りの琴平に到着です。琴平に到着すると驚いたことは自動改札がありません。30分に一本以上列車が来る、一大観光地なのに…。僕は10歳まで、駅には必ず自動改札があるものだと思っていました。とりあえずスタンプを押そうとすると、横に、アンパンマンのスタンプも置いてあります。四国に来たことを実感します。味のある木造の有人改札で、青春18きっぷをみせて外に出ます。20分ほど時間があるので、琴電琴平駅に向かいます。駅前は観光地らしくタクシーが止まっていました。五分ほど案内表示に沿って歩くと、駅舎が見えてきます。瓦屋根の新しい駅舎でした。駅構内には、セブンイレブン四国出店六周年ラッピングの車両が止まっています。車体上部はきれいに橙、緑、赤のセブンイレブンカラーに塗られています。セブンイレブンの四国進出って意外と遅いんですね。時間がないので写真を撮り、時刻表をもらって帰ります。

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5.香川~徳島の県境を行く

 琴平駅には少し早く着きすぎ、ホームで列車を待ちます。やってきたのは、1000型気動車単行です。この区間は、日中普通は3時間に1本の閑散区間です。琴平で多少の人が降り、乗り込みます。前が見たかったので、運転席の横に立ちます。列車は田園地帯を走っていきます。少し前の台風のせいか稲が倒れているところがありました。律儀に無人駅にも止まっていきます。讃岐財田で特急の退避があります。岡山を僕たちより1時間半以上後に出たアンパンマン列車が、走り抜けていきました。この駅が香川県最後の駅です。

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 列車はどんどん山の中に入っていきます。そして、長いトンネルに入り、県境を越えていきます。トンネルから出ると、行き止まり線に入り停車します。しかし、そこにはホームはありません。そうすると運転士がでてきて、逆側の運転台に向かい、列車は逆向きに進みだします。すぐにホームが見えてきてそこに停車します。そう、ここはあのスイッチバックで有名な坪尻駅なのです(その時初めて知ったのは秘密)

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坪尻では行き違いを行うため、数分停車します。筆者も外に出て撮影します。少しすると、特急南風がスピードを出して通過していきました。すぐに発車時刻がやってきて、坪尻駅を後にします。

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 坪尻駅を出発した列車は、山の中をグングン進んでいきます。だんだん山から離れていき、箸蔵を過ぎると吉野川を渡ります。きれいです、が、窓ガラスに鳥の糞がついているのが興ざめです。

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 そして、民家がまばらに見えだし、佃に到着です。

6.吉野川に沿って

 佃で1分乗り換えを実行します。しかし対面ホーム乗り換えなので余裕です。やってきたのはまたもや1000系気動車単行です。車内は高校生で混雑しています。部活帰りでしょうか。また、運転席横に立ちます。列車は辻、阿波加茂三加茂、と少しずつ高校生を降ろしながら進んでいきます。しかしあまり吉野川は見えません。途中でボックスシートが一つ空いたので確保します。そして、昼ご飯をいただきます。おにぎりが少しつぶれていて悲しかったです。吉野川がたまにちらちら見える以外は、田んぼが広がった中を列車は進んでいきます。けっこう退屈な100分の乗車に、変化を与えてくれたのは、地元のおばあさんの存在でした。途中のどこかの駅(忘れた)から乗って来られ、ボックスシートの僕たちの前に座られました。どこからきたの?などとよくあることをまず聞かれました。自分が大阪から来たことを伝えると、この辺の地名のことなどいろいろ教えてくださいました。そして、飴ではなくチョコをいただきました。そのおばあさんは回数券を持っておられました。よく徳島に行かれるのでしょう。まあ、そのおばあさんといろいろしゃべっていると、徳島が近づいてきました。佐古~徳島間は、高徳線徳島線が並走する方向別複々線になっており、この列車は、進行方向右側を走行していました。そんなことを考えていると、徳島に到着です。

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 徳島では30分ほど時間があるので、まずは、特急券を購入します。池谷~引田を特定特急券320円、乗車券360円、合計680円で特急ワープします。この区間は、普通列車が3時間に1本と非常に少ない区間となっています。時刻表をもらい、スタンプを押し、まだ時間があるので、お土産屋をのぞいてみます。特にめぼしいものがなかったので、改札に向かいます。

7.高徳線でうどん県へ

 さっきと同じホームに止まっていたのは、1200系普通鳴門行きです。1200系はさっきの1000系を改造したものです。それ以上のことは知りません(汗)。列車は、気動車特有の大きな音を立てて、発車します。

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 車内はある程度混雑しています。そして、列車は、ふとぉいふとぉい吉野川を渡ります。2時間前にわたったものの3倍ぐらいあります(まあそりゃ、あれが中流でこれが河口付近だから当たり前だ)。そして列車は1駅ずつ買い物客を下ろしていきます。そして、乗り換えの池谷(いけのたに)に到着します(前までいけだに”って読んでたなんて言えない)。この駅は、長い跨線橋を持つこと以外何もなく、本当に特急が止まるのか不安になる駅です。

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池谷駅の構内、左側が高徳線1.2番乗り場、 右側が徳島線3.4番乗り場

 待つこと10分強、ぼろぼろの2000系がやってくるかな?と思いきや、ピカピカの2700系がやってきました(ヤッタァ)。ここから、17分間の特急列車のたびがはじまります。

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対向列車の2000系

 車内に入ると車掌さんがお出迎え、さっそく検札を受けます。そして、次の板野で並びの席が空くから、そこで座るとよいといわれました。確かに車内はほとんど片側だけ埋まっています。「別にいま座っていいじゃないか」と思ったが、おとなしくデッキに立つことにしました。やはり特急は速いです。無人駅を二つ通過して、数分後板野に到着します。確かに、男の子が降りていき、並びの席が空きました。急いでその席に座ります。座った瞬間に「ああ柔らかい」と、感嘆の声が漏れそうになりました。これまでずっと固い固定クロスシートに座っていたので、柔らかさが夢のようです。しかし座席に座っていられるのも10分間、少しリラックスできてきた頃に到着の放送が流れ始めます。荷物を片付け、わずか17分間の特急列車の旅は一瞬で終わりを迎えます。引田(ひけた)駅のホームで、この特急列車に乗っていた次にのる列車の運転士さんと思われる人に、きっぷを回収されそうにな りますが、申し出て無効印を押してもらいます。

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 引田駅で一度時間があるので駅舎の外に出てみます。しかし、何もないので、写真を撮って、時刻表をもらい、もう一度中に入ります。ホームで待っていたのは、1500系の7次車でした。中は、新快速と同じ、快適な転換クロスシートです。これで、高松までの1時間強、楽に過ごせそうです。列車は、僕たちと、あと一人を乗せて出発します。

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 ここから先は、うとうとしていたためかあまり覚えていません。三本松(近鉄大阪線ではない)で結構な人が乗ってきました。クロスシートの窓側がだいたい埋まります。ぼーっと窓の外を眺めていると、“オレンジタウン”という文字が見えます。「この国にすべてカタカナの駅名は何個あるのか」などということを考えます。だんだんと住宅街に入っていきます。昭和町、という文字で一気に現実に引き戻されます(なぜなら御堂筋線天王寺の次が昭和町だから)。そして列車は高松駅に滑り込みます(雑)。

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 高松駅駅名標で面白いことに気がつきます。下に暗くてわかりにくいですが、うどん県 さぬきうどん駅  高松市と書いてあります。うどん県をアピールしたい高松市の熱意が伝わってきます。しかし、この旅行でうどんは、1本も食べていません。このせいで、後で悔んでいます。高松駅で厄介なのがこの頭端式ホーム。隣のホームにわたる際には、一度、端まで行かなければならないのです。とりあえず時刻表をゲットするために、一度端まで向かいます。

 

8.マリンライナーで本州へ

 時刻表をゲットしたあと、のこのことマリンライナーの先頭車に向かいます。改札から遠いからか車内は、すいています。クロスシートを二席確保し、腰を下ろします。が、スタンプをもらい忘れたことに気付き、もう一度改札口に向かいます。しかし、今度は紙を置いてきたことに気付き、もう一度往復しますが、時間がないのではしります。やっとのことでスタンプをゲットし、帰ってくると、発車1分前でした。電車はほどなく発車します。電車は快調に飛ばして坂出に到着。坂出を出ると、すぐに瀬戸大橋を渡ります。さっきは前が見えなかったので一番前にかぶりつきます。そうすると夕焼けがきれいに見え ません。完全に雲にかぶっています。そうこうしていると、本州に上陸します。そして電車は児島に到着して、乗務員がJR西日本に交代します。そしてさっきも乗ったのでうとうとしていると岡山に到着しました。

 

9.貸し切り状態の赤穂線!?

岡山駅で夕食を調達するために一度コンビニに入ります。そして、天津飯を購入し、レンジで温めてもらいます。商品をもらい、その足でおみやげ物屋をのぞきます。キビ団子を1パック購入し、改札に入ろうとします。そこで、コンビニでスプーンをもらい忘れたことに気付き、一度戻り再び改札内に入ります。少し時間をつぶしホームに向かいます。

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 待っていると電車がきました。213系です。気がつくと後ろには、結構な人が並んでいます。ラッシュ時間帯だからでしょうか。列車に乗り込みクロスシートを並びで確保します。車内はけっこう立ち客が出るぐらいです。まだ天津飯を食べるべきではありません。窓の外を見ていると、列車はゆっくりと岡山駅を離れ、闇の中を進んでいきます。1駅ずつ通勤客を下ろしていき、東岡山ぐらいですいてきたので、天津飯をいただきます。すると、ご飯がない。そんなわけはありませんでした。ちゃんと卵の下にありました。食べ終わるころには車内には僕らとあともう一人しかいませんでした。そこで、向かい側のクロスシートを倒して足を伸ばしてくつろぎます(お行儀が悪い)。普段の新快速はそんなことできないもんね。そうこうしているうちにもう一人の方も降り、車内は貸し切り状態となります。結局最後まで誰も乗って来ませんでした。電車は闇の中を進んでいきます。ゆっくりしていると、やっと播州赤穂に到着します。

 ここからは、新快速なので乗っていれば着きます。反対側のホームに止まっていた223系に少し懐かしさを感じました。さっそく乗り込み、リラックス態勢に入ります。そして、加古川を過ぎたぐらいで寝落ちします。………ふと気がついたとき、隣の席にO君はいなく、窓の外を見ると、ホームでO君が手を振っていました。そう、ここは三ノ宮だったのです。後で聞いたところによると、O君が起こしてくれたそうです。起こしてくれなければたぶん寝過ごしていたでしょう。ありがたや。新快速はその後も芦屋、尼崎、大阪と快調に飛ばしていき、無事、初めての18きっぷ旅行は終わりを迎えましたとさ。

 

あとがき

 下手な文章でしたが最後までお読みいただきありがとうございます。書き始めた時に病に倒れ、今は、締切日をとっくに過ぎております。編集者の皆さま、この場を借りてお詫び申し上げます。初めての部誌執筆ということもあり、先輩方の素晴らしい記事とは比べ物になりませんが、次はもっと良いものを書こうと思います。それではまたどこかで。