灘校鉄道研究部公式ブログ

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2.2019夏 四国一周旅行の記録 Vol.1:まえがき~一日目 【2020年灘校鉄道研究部部誌「どんこう」】

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まえがき

75回生のNo.7507です。前年書いた記事はゴミでしたが今回はまともなものにしたいですね。

さて、今回は中三(当時)の3人で四国に行ってまいりました。自分たちで計画して自分たちだけで行く旅行は僕は初めてです。

四国は2018年度の鉄研旅行で行きました。しかしそのときは西日本豪雨の影響で愛媛県に立ち入ることができませんでした。今回は言うなればそのリベンジですね。

四国?普通列車少ないし18きっぷじゃきつくね…?そう思った方もいらっしゃるかも知れません。ということで今回主に使用したきっぷがこちら。

バースデイきっぷ」です。出発日が誕生月にある場合にその日から連続した3日間使えて、(今回は僕が7月生まれなので7月スタート、それぞれの予定を調整した結果31日から)JR四国土佐くろしお鉄道の普通・快速列車と特急車の自由席に乗り放題、これで10,000円くらいのお得なきっぷです。そしてなんと!同じ値段で同行者も3人まで買えます!素晴らしい。

きっぷの説明は続けるとキリがないのでこの辺にして、ドタバタあり、ハプニングありの珍道中、是非お楽しみください。ほんまに大変やったで…(小声)。

 

 

1.予定の行程表

読みにくいかもしれませんがお許しください。そして物凄く大きな変更の数々に見舞われます。

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2.実際の行程表

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  1. 1日目(担当:No.7506)

 旅は、早朝の神戸駅から。神戸駅で集合後、青春18きっぷを3人分購入し、新快速で西へ向かいます。しかし、ここで早くもハプニングが。参加者の一人、僕が新快速の車内で気分が悪くなってしまい、途中の加古川駅で下車する羽目に。出発が朝早く、また新快速が割と混雑した中で130キロも出していたので、酔ってしまったのかなと思います。それで加古川駅のトイレに何度も行って様子を見ていた結果、電車を何本も見送ってしまいました。完全に僕の失敗です。体調管理をもっと徹底するべきでした。しかし他の二人はそんな僕にも優しくしてくれて、プランを変更してくれました。本当に感謝しかないです。あと関係ないですが、加古川のホームで落ち着かせているとき、色んなところから流れてきて不協和音になっている「メリーさんのひつじ(接近メロディ)」がとてもうざかったです。

 ということで体調が和らいだところで後続の普通で姫路へ。今回の企画者のNo.7507が代わりのプランを立ててくれました。時間的に、牟岐線とバスで室戸岬方面に行く時間はないので諦めることになりましたが、それでも時間調整する方法はあると言います。それは・・・「新・幹・線」です。流石日本の高速鉄道と言うべきです。姫路から新幹線の切符を買い、のぞみ号に乗って岡山へ。しかし僕はまだ体調が本調子ではなかったため、ずっと寝ていました。

 さて、一行は岡山へ到着。その頃には僕の体調も回復していました。乗車するマリンライナーまで時間があるので、岡山で車両観光することにしました。色々とレアな車両が見れて良かったです。

 2番線では、ぐったりはくもことゆったりやくもに使用されている381系電車が停車していました。381系は「振り子式」と呼ばれる台車を使用していて、カーブの際に振り子のように車体を傾けることでカーブの通過が乗り心地を保ったまま(?)より高速にカーブを通過できる技術が用いられています。しかし、前述のあだ名から分かるように、乗り心地を保てているかどうかはお察しのようです。ちなみに、381系は営業運転ではやくもしか残っていないので貴重な車両です。

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 4番線に行くと、珍しい光景を見ることが出来ました。2編成だけしかない「湘南色」と呼ばれる国鉄時代から使われてきた塗装の115系です。しかも、それが通常の黄色の115系と連結していて、ここ岡山駅で切り離し作業を行っていたのです。レアな光景を見られました。

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115系D27編成(湘南色)と115系D18編成(濃黄色)の解結作業

 岡山での車両見物を終えた一行は、「快速マリンライナー」でいよいよ四国へと入ります。実は僕、マリンライナーに乗るのは多分これが初めてだったと思います。瀬戸大橋を渡って陸が見えてくると、やはり楽しみになってきます。

 ようやく高松に到着、旅はこれからです。青春18きっぷで改札を出て、窓口でバースデイきっぷを購入します。No.7507が7月の誕生日で7月31日購入。ギリギリですね。そしてどうやらこのきっぷ、自動改札に入るらしいですね。四国は自動改札ある駅少ないからあまり意味ないような気もしますが。これから乗るのは特急「うずしお」ですが、時間があるので駅を見て回ることにしました。

 駅に出ると何やら派手な車両が停まっていました。JR四国では有名なアンパンマントレインですね。後ほど我々も乗ることになります。アンパンマンロッコというのもあり、子ども連れに人気ですが、以前の鉄研旅行で部員が乗ったらしいですね(笑)。

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高松駅に停車中のアンパンマン列車

 向かいの1番線に停車中の列車は1500形気動車でした。1500形は、JR初の「コモンレール」と呼ばれるエンジンを使用し、窒素酸化物の排出を前代の1000形に比べ約60%削減しました。そのことからエコをイメージした外装となりました。ちなみに後から調べました。

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高徳線で使用されている1500形気動車

 3番線には「快速サンポート」の7000系が停まっていましたが、乗務員室扉が面白かったので撮ってみました。扉に書かれた「乗務員室」の文字が曲がったカーテンに影となって写り、「乗↘務↗員室」となっていましたw

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7000系の乗務員室

 そんなことを話していてしばらくすると、バースデイきっぷ初の乗車列車が入線してきました。

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 このうずしお、連結開放やスイッチバックやらと何かと複雑な動きをしていましたが、あまり良く分からなかったです(おい)。高松駅の構造上そうせざるをえないんでしょうか。しかし何といっても、3日間特急自由席乗り放題は強いですね。快適に徳島まで行けました。

 徳島駅に着いた一行を待ち受けたのは、またもレア塗装の列車でした。キハ185系という形式の特急列車ですが、今はそのほとんどが水色になったり、某国民的子ども向けアニメに侵食されていたりでなかなか元の色の緑色に出会うことはできません。僕もこの塗装を見るのは初めてでしたが、濃いめの緑が銀の車体に合っていていいなと思いました。

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 ここで昼食。アレルギーの関係で僕は一人で駅前で食べましたが、にしても暑すぎです。瀬戸内海側なのは岡山などと同じですが、徳島は一層暑く感じました。そういう理由もあって、昼食後列車が来るまでは駅前のショッピングモールで涼むことに。No.7502が交通シミュレーションゲームをしていたのでずっと横から見学してましたが、面白そうでした。

 さて、当初の予定では牟岐線方面に行くはずだったのですが、前述の計画変更により内陸方面へ行くことに。徳島線特急「剣山」で阿波池田へ向かいます。剣山では空いていたため、先頭車の最前列に席を陣取って全面展望を楽しむことができました。線路に沿って流れる川は吉野川。のどかな風景が広がります。

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 阿波池田からは、恒例のワンマン普通車耐久になります。しかし、夏休みということもあってか、またも乗客の姿があまり見当たりませんでした。普段学生が利用客の中心なのでしょうか。何にせよ路線の存続が心配させられます。乗車中、大雨が降りましたが、列車内なのでセーフ。しかしあんな激しい雨降るんですね。驚きです。

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 そんなこんなで高知県へ突入すると、ただひたすら謝ってくる駅に到着。「後免(ごめん)」駅。有名な駅名ですが、やはり文字を見るとシュールですねw

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 後免駅で特急「南風」号に乗り換えるとすぐに高知、今日の宿泊地に到着します。路面電車(とさでん交通)に乗り換えてホテルへと向かうのですが、車の交通量も多く、思ったよりも大きな町という印象を受けました。

 しかし、さて今日はお疲れ様、というところでまたハプニングが。「ホテルの場所が分からない」。Googleで調べろよ、という話ですがそう簡単にうまくいきません。何せ時は7月の31日、月末です。携帯はお決まりの通信制限でなかなか動かず、また地図が出ても路地がややこしくてなかなか見つけられません。そして結局右往左往し、蚊に刺されてまでしてやっと見つけたホテルは、まさかの商店街の一角にありました。「リッチモンドホテル高知」。今日はここで一夜を明かすことになります。

夕ご飯は適当に近くのココイチ。カレー好きというNo.7502と行きましたが、彼が一番辛いメニューを頼んでいて驚きました。No.7507は近くの海鮮丼屋で地元の方とお話をしたそうです。夕食後、とさでん交通の撮影をしにはりまや橋へ。夜の街のライトに照らされて、路面電車もかっこよかったです。

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とさでん交通 はりまや橋にて

 その後は入浴し、翌日に備え就寝。

今日の感想

 岡山の魔改造された特徴的な車両たち、そして四国の様々な車両たち、さらには国鉄色キハ185系など、歴史を感じる車両たちが多くみられ、初日から素晴らしい旅となったと思います。(No.7502)

 代替ルートを考えるのが非常に楽しかったですね。初日からこういう旅の醍醐味を味わえました。トラブルに落ち着いて対処できたのも自信になります。(No.7507)