運賃と輸送形態から鉄道を読み解く(起稿班研究第二号・その7)
今回も特急料金についての詳細について書かせていただきます。
(3.特急料金の続き)
⑥名古屋鉄道
運転系統はこの図の通りです(Wikipediaより引用)。
この図からは分かりにくいかもしれませんが、基本的に岐阜・鵜沼方面~名鉄名古屋~知多(中部国際空港含む)・三河方面という方向の列車が殆どを占めております。中部国際空港と名鉄名古屋・名鉄岐阜・新鵜沼・新可児を結ぶ「ミュースカイ」(種別名)は全車特別車、その他の快速特急・特急は一部特別車または全車一般車で運転されています。特別車両は基本的に座席指定制ですが、車内で車掌に発券時に空席であった席が発券されたもののその座席の本来の持ち主が現れた場合は席を無条件で譲らねばならず、この場合に限っては立席での乗車となります。特別車両に乗車する際は(たとえ着席できなくても)乗車券の他に特別車両券(=ミューチケット、一律360円)が必要です。
⑦ 近畿日本鉄道
運転系統はこの図の通りです(Wikipediaより引用)。なお、図からもお分かりいただけるでしょうが近鉄特急は8種の運転系統14種の停車系統に大別できます。
近鉄特急は大阪・京都・名古屋と奈良・橿原神宮前・吉野・伊勢志摩を結ぶ観光輸送と大阪~大阪近郊・奈良や名古屋~桑名・四日市への通勤輸送・大阪~(津経由)~名古屋という長距離都市間輸送の3つになっております。また運転本数も豊富な上に系統の違う特急同士の乗り換えが非常にスムーズで、これらの各都市間の移動には非常に重宝すると思われます。また近鉄特急は全席座席指定制で、ご乗車の際は乗車券のほか特急券が必要です。またアーバンライナー・さくらライナー・伊勢志摩ライナーのデラックスカーやしまかぜの各座席にご乗車の際は上記に加えさらに追加料金が必要です。
⑧ 南海電鉄
南海電鉄の特急列車は大阪~関西空港(ラピートα・β)・和歌山(サザン)・橋本・高野山(こうや・りんかん)・和泉中央(泉北ライナー)の各都市を結んでいます。このうちラピート・サザンは南海本線を経由しそれ以外は高野線を経由します。また、泉北ライナーは泉北高速鉄道(同系列子会社)と直通運転をしています。こうやは極楽橋で高野山行きのケーブルカーに接続するほかサザンのうちには和歌山港で徳島行きのフェリーと接続するものもあり、大阪から南方面の広範囲をカバーしています。特急はサザンのみ一部座席指定制でそのほかは全車座席指定です。ご乗車の際は運賃ほかに特急料金(サザンの指定席の場合は座席指定料金)(基本510円ですが大阪市内3駅と堺東駅から極楽橋の間を利用する際は780円、泉佐野駅と関西空港駅の間の各駅で利用する際は100円、こどもは半額で10円未満切り上げ)です。またラピートのスーパーシートに乗車する際は上記のほかにさらに210円が加算されます
。
⑨ JR各社
JR各社は主に都市間輸送を主体とした特急列車を数多く走らせているほか、都市部ではラッシュ時にライナー列車も走らせています。あまりにも数が多いので列車ごとの詳細は省略させていただきます。料金は自由席特急料金・指定席特急料金(自由席特急料金+510円)をベースにグリ-ン車・寝台車にご乗車の際はそれぞれ乗車券・特急券(自由席特急料金と同額)に加えグリーン券・寝台券が必要です。また時期によって特急料金が変動し、繁忙期は+200円、閑散期は-200円されます。
次回は最終回で、全体のまとめをさせていただきます。今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆:No.7210
校正:副編集長(No.7005)・部長(No.6903)
これまでの起稿班研究第二号記事はこちら↓