灘校鉄道研究部公式ブログ

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1.夏期取材旅行の記録 Vol.11:四日目後半[秋田内陸縦貫鉄道班] 【2020年灘校鉄道研究部部誌「どんこう」】

秋田内陸縦貫鉄道

 青森駅に着いた僕達は、わずか6分乗換えの後特急つがるに乗り込みます。野辺地の時(大湊線班を参照)のように列車はすぐに発車します。

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 このE751系は2000年に製造され、北海道新幹線が出来るまでは青函トンネルを走っていたそうです。北海道新幹線が出来てからはこの「特急つがる」に転用されたようです。肝腎の乗り心地はというと……正直言ってあまり良くなかったです。沿線には魅力がまだまだあるのに、少し残念だったかなあ。お客さんもJRの特急では多い方ではなかったので、そこら辺のサービスを向上すると客は増えると思います。途中、右側の車窓に岩木山が見えます。これは津軽富士ともよばれ、大変深い信仰を集めている名山の一つで、太宰治も「津軽」で紹介しています。顧問の先生によると岩木関(だったっけ)もこの山の名前をそのまま自分の名前に付けたそうです。結構有名だそう。また、列車は大鰐温泉駅にも停まります。弘南鉄道が伸びている、なかなか良さげな街なので行ってみたいです。

 さて、友達とドボンにかまけている間に列車は鷹ノ巣に着きます。これから、この班の醍醐味である秋田内陸縦貫鉄道に乗ります。(まあ正直言って有名ではないんですけど)実はこの路線、めっっっっっちゃ素晴らしいんです!!! 具体的にどこが素晴らしいのかというと、それはこれから読んでみて下さい。

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急行もりよし

 鷹巣であった10分少々の休憩で笑内まんじゅうというものを買い、改札の時間が来たのでホームに入り、一旦列車に入ります。そして1つのボックスシートに3人くらいで陣取ったのですが、座ってすぐにアテンダントさんが「写真撮影をしましょうか」と声をかけて下さいました。せっかくですのでお言葉に甘えて、ということで記念写真を撮ります。パシャリ。顧問の顧問の先生の一眼レフと部員のスマホで1回ずつ撮って貰いました。有り難うございます。そして1両の小さい気動車に乗り込むと、少しして列車は鷹巣を発ちます。(この駅名、JRでは「鷹ノ巣」と間にノが入り、内陸線では「鷹巣」と漢字だけです。わざわざ分ける意味あるんでしょうかね)「さあ、列車はまもなく最初の鉄橋、なんたらかんたら橋を渡ります。この橋はうんたらかんたら……」というアテンダントさんの放送が流れます。ここまではそこら辺にある普通の観光列車などと変わりはないのですが、その放送がめっちゃ面白くて興味を惹かれるんです!!! 沿線の魅力や歴史、また事情なども織り交ぜて話してくれるので、いつもそんな車内放送など聞かない鉄オタの部員のみんなも熱心に聞き入っているようです。橋を渡るとすぐ、左側に見えてくるのは田んぼの上に書かれた、埴輪のような絵です。この鉄道では、田んぼアートといって田んぼに鑑賞用の稲を植え、絵のように見せる活動を行っており、この内陸線で5つもあります。我々が行った時は埴輪、なまはげ、竿灯祭り、羽子板、そして「令和」の文字でしたが、その5つ全部に秋田犬があり、めちゃカワイかったです。
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 そうこうしているうちに列車は前田南駅を通過。映画『君の名は。』に出てくる駅のモデルとなったそう。後で調べてみると、確かに酷似している駅が映画にありました。

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君の名は。』のモデル、前田南駅

 そして、列車は阿仁合駅に到着。この駅は内陸線の中でも主要駅の一つで、内陸線の車両を置いておく車庫があります。そんな阿仁合駅を発ち、しばらくして長いトンネルにさしかかります。ここで顧問の先生が誰かと話していたので話しかけると、相手はなんと内陸線の社長さんだそう。びっくりしました。この社長さん、素晴らしいお方でした! これで内陸線をまた一つ好きになりました。するともう列車は終着駅の角館に到着。社長さんと記念撮影し、別れたあと、角館で少し時間をつぶし、秋田新幹線こまち号に乗車。もうここら辺になったら部員たちも疲れ果てているようでした。意識が飛んでいる部員もいましたね。いつの間にか秋田に到着。ではもう時間もキャパもないので、ここら辺で終わりとします。どうも有り難うございました。

【文責 中学三年 No.7616】