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企画きっぷを考える<第4回>(起稿班研究第六号・その4)

~外国人向けの切符~

今回は、近年急増している外国人観光客向けの切符を見ていきます。

JRでは、訪日観光客向けに「JAPAN RAIL PASS」を販売しています。

基本的には、JRグループの鉄道・バス(高速バスを除く)と宮島フェリー・東京モノレール・一部の第3セクター線が乗り降り自由となります。

これには新幹線(のぞみ、みずほを除く)や特急など、優等列車も含まれています。また、こういった列車の指定席も取り放題となっています。

価格は7日間の場合普通車用29110円、グリーン車用38880円となっています。

ちなみに、入国管理法の定める「短期滞在」に該当する乗客のみへの販売となっていて、日本在住者は購入できません。

 

このような切符となっていますが、新幹線ひかり号の東京・新大阪間の往復運賃が28280円なので、RAIL PASSの7日間29110円は破格のものです。

鉄道の主なライバルとなっていると考えられる高速バスでは7日間20000円で全国約100路線が乗り放題となる訪日観光客向けチケットを発売するなど、成長を続けています。RAIL PASSには価格を下げて国内間移動の需要を鉄道に引き込もうという狙いがあるのでしょう。

ただ、新幹線や特急に乗車可能なため高速移動が可能であるという大きな利点もあり、もう少し価格をあげてもよいかもしれません。

 

ところで、この切符には指定席をいくらでもとれるというサービスがありますが、どれだけ指定席をとっても料金がかわらないため、複数列車の座席を予約し、結局乗車しないということが起こり得る状態になっています。これでは、混雑の激しい列車の場合、指定席をとれない乗客がいる中指定席には空席が目立つという状況が生まれてしまいます。指定券の発行回数を制限するということも考えてもよいかもしれません。

 

JRはこれ以外にも、JAPAN RAIL PASSと同様の条件で乗車範囲を狭めた北海道レールパス・九州レールパスや北陸エリアパスなど、数多くの訪日観光客向けフリーパスを販売しています。いずれも料金設定はかなり割安になっています。

 

前半は、フリーきっぷを中心に取り上げました。フリーきっぷは観光客向けのものがほとんどですが、工夫によっては様々な効果が得られるでしょう。

次回からは、フリーきっぷ以外のものを見ていきます。

 

執筆:No.7405

校正:No.7212(起稿班班長)

 

↓起稿班研究第六号の過去記事はこちらです

 

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