山陽6000系細評②(車両研究紹介・その2)
昨日に続き山陽6000系の記事ですが、今回は内装(接客設備)を中心に紹介します。
昨日の記事はこちら↓
山陽6000系の特徴でもある座席の袖仕切り板。一般に袖仕切り板はFRP等のプラスチックであることが多いのですが、白く大きな袖仕切り板は閉塞感をもたらすという欠点があります。山陽電鉄では直通特急運用に就く5000系三宮・梅田側先頭車(クモハ5000)の混雑緩和にロングシート化を行った際に初めて袖仕切り版を導入していますが、その際には白く大きなタイプが導入されています。
今回6000系に導入されたものは、アルミ枠とドット模様のグラデーションが施された窓ガラスを組み合わせ、曲線で構成された形を描くもので、仕切り板の閉塞感は最小限に押さえ、柔らかな印象を与えるように思います。
座席は赤色花柄モケットの片持ち式8人掛けバケットシートで、中央にスタンションポールが設けられています。座り心地は従来の山陽車の柔らかく落ち着く感覚に似ていますが、肉厚ながらも僅かに硬くなったことでしっかりと支えられている感じではあります。阪神5700系に比べると少し柔らかめ、個人的には座り心地は山陽6000系の方が少し良いように思います。
スタンションポールは仕切り板から網棚まで伸びるステンレスパイプとなっています。座席中央部のスタンションポールは下半分が少し車体中央に張り出す形となっています。
車端部の座席は5人掛けで座面下に機器箱が設置されていますが、8人掛け座席と異なりスタンションポールでは機器箱に支障するため、小型の袖仕切り板が設置されています。小型の仕切り板は車端寄りが2人掛けとなるように設置されています。優先座席は各車両の車端部に配置され、青色モケットで区別されています。
(↑優先座席部の青色モケット)
(↑赤色モケットの車端部)
優先座席付近には車椅子・ベビーカースペースも広く確保されています。車椅子・ベビーカースペースに隣接する優先座席の袖仕切り板は従来のもの程の大きさとなっています。
車両妻面には非常通報器が設置されており、緊急時はこれを使用して乗務員と連絡を取ることが出来ます。
網棚の取り付けボルトは目立たない位置に配置され、窓部分には荷物の車外転落を防ぐ為に板が取り付けられています。山陽6000系は車体側板から内壁の厚さが従来に比べて抑えられ、車内寸法が少し広めに取られていることに加え、行先表示器がLEDとなっていること等から網棚上部の空間も広々と十分に確保されています。
室内照明はカバー内に収められ、間接照明となっているのが特徴です。間接照明で車体の上部隅肩部の白い曲面パネルまで隅々を照らし、車内が充分に明るくなっているように思います。
吊り革は照明カバーから伸びた吊架支柱に取り付けられており、ドア付近のみ短い吊り革となっています。また、優先座席付近は黄色い吊り革となっています。
車内長手方向中央部には空調機器・スピーカーが設置、両脇には室内照明が設置されています。空調機器は冷気吹き出し口とその前後にラインデリア(送風機)が設置されています。弱冷車は2号車(真ん中の車両)です。
執筆:副参謀(No.6903)