JR西日本長距離列車に関する考察Ⅲ【兵庫県北】(起稿班研究第五号・その3)
前々回・前回はこちらです↓
⒊兵庫県北
①「こうのとり」
「こうのとり」は、新大坂~福知山・豊岡・城崎温泉を走る特急です。この電車は大阪から福知山・豊岡・城崎温泉へ向かう観光客向けのもので、カニの季節などには多くの観光客が乗車します。さらに、通勤時には三田、宝塚などから大阪へ利用する乗客も多く、そのため、一部の列車は新三田や西宮名塩、相野にも停車します。需要は多く混雑することも多いです。
②「はまかぜ」
「はまかぜ」は、大阪から播但線を経由して香住・鳥取に至る特急です。大阪・神戸~鳥取には後述の「スーパーはくと」が、大阪~豊岡・城崎温泉には「こうのとり」が走っているため、客層としては、神戸から県北へ向かう観光客や、播但線から姫路・神戸・大阪へ向かう乗客が多いようです。休日や行楽シーズンには観光客が多く乗車します。平常時は新快速、新幹線と並走する姫路以東を中心に空いていることが多いようです。平日に姫路以東まで「はまかぜ」を走らせる必要性はあまりないと思います。
はまかぜは気動車で運転されるため浜坂方面の非電化区間に乗り入れられるのが強みの一つといえるでしょう。冬には、「カニカニはまかぜ」も運転されています。観光客をどう誘致するかが乗客数の増減に繋がるのではないでしょうか。
③「スーパーはくと」
「スーパーはくと」は、京都から姫路、智頭急行線を経由して、鳥取・倉吉まで運転されています。京都・大阪・神戸と山陰地方を結び、利用客は多く、2014年度には岡山~鳥取を走る「スーパーいなば」とあわせて利用者数100万人を達成しました。鳥取~関西は飛行機がなく、大阪~鳥取を結ぶ「はまかぜ」は所要時間が長いということが要因でしょう。130km/hで走行可能で振り子式車両であるHOT7000系が使われており、大阪~鳥取を2時間30分で結んでいます。この車両は、乗り心地も良く、車内設備も綺麗です。
④北近畿ビックXネットワーク
北近畿ビッグXネットワークとは、北近畿の「こうのとり」「きのさき」「はしだて」「まいづる」「はまかぜ」からなる、特急ネットワークの愛称です。
※図は筆者が作成
この名前は、このネットワークが、図のように、福知山を中心に東西に山陰線、南に福知山線、北に京都丹後鉄道が、Xの形にのびていることに由来します。Xの中心にあたる福知山駅では、特急電車の対面乗り換えや、特急電車同士で乗り換えると特急料金は1列車分でよいという特例があるなど、乗り継ぎは便利になっています。福知山や豊岡、鳥取から京阪神が特急電車で結ばれ、利便性は高く、これからは大きな運転形態の変化はないと思われます。
⒋あとがき
これまで3回、JRの長距離列車に関する考察と題して述べさせていただきました。特急電車に関しては、これからさらに利便性が上がることが期待されます。拙い文章でしたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※参考文献
・北陸・信越観光ナビ「フリーゲージトレイン見送り示唆 JR西日本社長」
(http://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000004969)
・北陸新幹線 金沢-敦賀延伸 2022年度開業 金沢-福井間先行開業
(http://abhp.net/traffic/Traffic_Rail_Hokuriku-Shinkansen_200000.html)
執筆:No.7405
校正:編集長(No.7005)