灘校鉄道研究部公式ブログ

灘中学校・灘高等学校鉄道研究部公式です。ご質問などはコメントにお書きいただくか、nrcofficial@gmail.comまでメールをお願いします。

11.東北道中鐵栗毛 Vol.5:五日目~あとがき 【2020年灘校鉄道研究部部誌「どんこう」】

 5日目―加賀温泉~福井~敦賀~大阪

 朝7時ごろに起きて朝食バイキングをいただきます。部屋に戻ってしばらく休憩したのち総湯へ。なんとも優雅な朝です。山代温泉には総湯と古総湯があり、どちらも魅力的ですが体を流したかったので総湯へ。古総湯の方は部長が半ページに渡って解説してくださいました。皆さん熟読のこと。加賀弁で交わされるおっちゃん達の会話を聞きながらお湯につかります。和倉温泉に似たさらっとしたお湯です。お湯上りの牛乳をキメて宿に戻りそそくさとチェックアウト。バスで駅に戻ります。温泉街と駅の間が想像以上の田園地帯で驚きました。駅に着くとまた1分かけてホームに上がり、やってきた普通列車に乗ります。

 

f:id:nrcofficial:20200504122743p:plain

 このまま大人しく帰るのは勿体ないので福井で寄り道。前々から訪れたかった、お堀の内にある県庁と県警本部を見物します。観光用とはいえ、こんな立派な橋を毎日渡って仕事に行くなんて羨ましい限りです。「福井」の由来になった福の井という井戸も見物しましたが、これだけの観光ではちょっと物足りません。そこで近くにあったガラガラの郷土資料館で福井の歴史を学んでから駅へ戻ります。駅前の食堂でソースカツ丼と越前そばのセットをいただき、お土産の羽二重餅を購入すれば後は帰るだけです。敦賀行は混雑しており、補助椅子に座るしかありませんでした。カチンコチンの椅子でうたた寝していると、列車はいつの間にか北陸トンネルを抜けて敦賀に。しばらく待つと天下の新快速がやってきました。琵琶湖を眺めつつお喋りしていると大阪まではあっという間。敦賀から約2時間、新快速電車は無事大阪駅に到着、長い冬の旅行はついに終わったのでした。

あとがき

 最後までお付き合い頂きありがとうございました。今回の東北旅行、実は最初私は全く知りませんでした。彼らが乗ろうとしていたムーンライトながらが満席で取れず、仕方なく夜行バスで行こうという会話をたまたま聞きつけて飛び入り参戦したのです。鉄研旅行と続けて2連続の東北はいかがなものかと思いましたが、同じ場所でもメンバーや心持によって見える景色は変わってくるものですね。ローカル線強行軍、かなり疲れますが青春の思い出としてはふさわしいでしょう。普通ならばスキップする目的地までの土地の情緒やそこに住む人々、こういった触れ合いは何にも代えがたい経験です。これから益々活気づくであろう東北、皆様もぜひ、快適な新幹線で訪れてみてはいかがですか。

(部長)

 昨夏の鉄研旅行で東北を周遊し、未訪問の都道府県がついに沖縄県だけになりました。といっても鉄研部員の言う訪問は「駅に降りた」「駅前で飯食った」程度。もちろん鉄道に乗ることが鉄道旅行の醍醐味ですからそれで良いのかもしれませんが、そろそろ「まともな」旅行をしたいお年頃です。一方で、今だからこそできるこんな体力任せの旅もやっぱり楽しいものです。旅は「一期一会」を楽しむもの。鳴子温泉でお話しした方にもう一度お会いすることはないでしょう。そしてこのメンバーで東北を旅行することももうないかもしれません。あってほしいけど。旅先でのさまざまな人、物との出会いを大切にしてこれからも旅を続けようと思います。お読みいただきありがとうございました。

(いわんぐ)