灘校鉄道研究部公式ブログ

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11.東北道中鐵栗毛 Vol.3:三日目 【2020年灘校鉄道研究部部誌「どんこう」】

 3日目―会津若松会津川口~只見~小出~越後湯沢~水上~高崎~東京

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 朝6時。まだ暗い会津若松の街に別れを告げて新潟県へ向かいます。この只見線は「雪景色のきれいなローカル線」「紅葉の美しい鉄道路線」「世界で最もロマンチックな鉄道」などと数多の褒め言葉がある路線ですが、眠気には勝てません。朝から牛肉弁当をがっつく元気な部長さんの姿を拝見しながらうたた寝。列車は水を湛えた只見川の横を延々と南下していきます。晴れていればきれいな景色でしょうなあ。今日は霧さえ出ています。会津川口から只見の間は代行バスに乗車。この区間も2021年度には復旧するようです。代行バスは鉄道ファンを山積みにして発車。ここでも睡魔に負け、起きるともう只見駅に着いていました。

 豪雪地帯、只見はどこへ行ったのでしょうか。山の方にすらほとんど雪がありません。本当に暖冬なんですねえ。雪景色を楽しみにしていただけに大変残念ですが、またリベンジしようと思います。駅前をしばらく散歩していると小出行の列車がやってきました。発車時刻は9時半、なんとこれが本日の始発列車です。地元の人に見送られて只見を後にすると、すぐに県境越えの区間に入ります。県境の長いトンネルを抜けてもそこは雪国ではありませんでした。残念。只見から30分かけてようやく次の駅、大白川に到着します。大白川から先、列車は破間川に沿って日本有数の米どころ、魚沼の大地を駆け抜けます。只見から1時間と10分で小出に到着。

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 20分ほど待つと水上行の電車がやってきました。これに乗車して越後湯沢へ。越後湯沢の駅ナカで親子丼をいただきます。もちろんお米は魚沼産コシヒカリです。親子のほうも大変美味でした。

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 スキー場がことごとく閉まっていて暇を持て余している(というのは勝手な想像ですが)外国人観光客と一緒に駅前の足湯につかります。疲れが取れる~。しばらくつかっていましたが、我々も暇なのでガーラ湯沢駅まで歩くことに。それにしても雪がありません。これではスキー場も旅館も商売上がったりでしょう。スキー場の看板を見ながら25分ほど歩くとガーラ湯沢駅に到着。

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 ガーラ湯沢は冬季のみ営業している新幹線の臨時駅です。駅舎自体がスキー場の玄関口となっていて、スキーのレンタルカウンターやお土産屋はもちろん、温泉施設も併設されています。もっとも雪がない今、駅舎はもぬけの殻です。ガーラ(GALA)は英語で祝祭という意味ですが、これではお葬式もできません。一刻も早い降雪を祈念して、MAXことE4系に乗り込みます。しかし「ごつい」ですねえ。2階建ての巨大な新幹線が8両もつながっています。動き出すとすぐに越後湯沢に到着。このまま東京へ行きたいーとブーブー文句を言いながら降ります。

 ここからはひたすら上越線高崎線を南下します。越後湯沢を出てしばらくすると、上越国境を抜けて群馬県へ。また関東に戻ってきました。ループ線なども通ったはずなのですが、生憎僕は夢の中。また雪景色を見に訪れたいと思います。水上で乗り換えて高崎へ。ロングシートでしかも車内が混雑しており、車窓の記憶がありません。唯一の記憶は渋川で童謡「ふるさと」が流れ、いい発車メロディだなあと思っていたのが、実は前に座っていたおばあちゃんの携帯の着メロだったということです。高崎着。高崎からは「限界しりとり」というゲームアプリでひたすら時間を潰していました。もはや車窓には目もくれていません。19時前に無事東京駅に到着。再び先輩方がお出迎えくださいました。

 東京駅前から都バスに乗り月島へ。運転は噂に違わず荒かったように記憶しています。月島もんじゃストリートで先輩方にもんじゃをご馳走していただきました。人生初のもんじゃでしたが、かなり美味しいです。軽いのでお好み焼きより良いかもしれません。とこんなことを言うと大阪の街を歩けなくなりますかね。ごちそうさまでした。月島から有楽町線で有楽町へ行き、先輩方と別れて上野を目指します。駅近くの銭湯「寿湯」でもんじゃの匂いを落とすべく体を洗い、東京駅へとんぼ返り。本日の宿は23時10分発の金沢行深夜バスです。疲れが溜まっていたようでバスが動き出すなりすぐに寝てしまい、サービスエリアで夜食を食べようという計画は破綻したのでした。