灘校鉄道研究部公式ブログ

灘中学校・灘高等学校鉄道研究部公式です。ご質問などはコメントにお書きいただくか、nrcofficial@gmail.comまでメールをお願いします。

11.東北道中鐵栗毛 Vol.2:二日目 【2020年灘校鉄道研究部部誌「どんこう」】

2日目―山形~仙台~松島~鳴子温泉~新庄~山形~郡山~会津若松

 おはようございます。只今、朝の四時半です。憎たらしいアラーム音で目を覚ますと、ベッドで寝ていたはずの私はなぜか床に放り出されていました。残りの3人は爆睡中。毎度始発に乗ろうとするくせに朝寝坊とは全くどういうことか。そそくさと準備をし、5時過ぎにチェックアウトです。ちなみに今宿泊しているホテルでは、朝ロビーで提供されるおにぎり食べ放題のサービスが人気なのですが、そんなものお構いなし。純粋な旅行好きの私としては押さえておきたかったところだけれど、ダイヤ第一の彼らには通用しません。そもそも私は旅行ができるからと鉄研に入部したのに、模型ばかり作らされた挙句、旅行とは名ばかりの移動大会に巻き込まれ部長なんて役職もやらされ…(隙自語)。ホテルから3分歩いて山形駅に到着しました。周囲はまだ真っ暗、冷たい雨がぽつぽつと降っています。駅ビル内の店は閉まっており人もまばらです。

f:id:nrcofficial:20200504114616p:plain

 

 本日最初の列車は始発の仙台行きです。仙台に戻るなら仙台で泊れば良かったじゃないと思いますが、あいにく仙台駅周辺は良いホテルが無かったのでちょっと我慢。車内は通勤客が数名と18キッパーが10名ほど。通勤客の多くは愛子以降で乗って来ます。流石に山形は遠いですからね。車窓はひたすら山とトンネル。何もありませんが、この静かな早朝の車内の雰囲気は嫌いではありません。今日も夜まで行動するので少し眠ることにしました。

 およそ1時間後、目が覚めた時にはそこそこ乗客が増えていました。仙台駅に到着したのは朝の七時前、まだ薄暗いですが駅は多くの学生やサラリーマンで混み合っています。続いて乗るのは仙石線。これで日本三景の一つである松島へ向かいます。出発時はやはり通勤ラッシュでかなり混雑していたのですが、列車がトンネルを抜ける頃には大分空いていました。典型的な地方都市という感じですね。今乗っている仙石線の列車は4両編成なのですが、車両の側面の帯カラーが1両ずつ異なっておりカラフルな仕上がりで、車内には松島の広告が目立ちます。仙石線を松島へのアクセスとして盛り上げようとしているのは伝わりましたが、本数が1時間に2本と利便性や自由度で自動車に太刀打ちできず、実際、松島では他の観光客は皆、駐車場から出てきました。

 まだ少し眠気の残る7時半、松島海岸駅に到着です。改装中でプレハブの駅舎を出ると、ツンとした冬の朝の空気に背筋が伸びるような心地がします。というか寒い!温かい車内に慣れていた体に大ダメージです。この時間はまだほかの観光客はおらず、まるで自分たちが松島を独り占めしているかのよう。しかし自動車だけはそれなりに走っています。どれも一人しか乗っておらず、南へ走っていくのでおそらく通勤でしょう。まず訪れたのは国宝の瑞巌寺平安時代に建てられた臨済宗のお寺で、松尾芭蕉奥の細道の旅にて参拝しています。早速中に入ろうとしましたが、どうやら拝観料が必要な模様。鉄オタたちは迷わず仕方なく断念しました。基本的に鉄道と食事以外はケチりたがる残念な集団です。しかし無料エリアも見どころがたくさんで、鉄道殉職者慰霊碑にSLの車輪が展示されていたり、崖の岩盤をそのままくりぬいて彫った、言わば発掘途中の化石のような地蔵様や供養塔が無数に並んでいる神秘的な遺構を見学できたりと十分楽しめます

f:id:nrcofficial:20200504114622p:plain

 お次は、少し歩いて瑞巌寺の境外仏堂である五大堂に向かいます。これは小さな島の上に建っているので小さな橋を渡って参拝するのですが、なんとこの橋、鉄道のレールと枕木のような構造になっており、穴が開いていて足を滑らせると海に落ちてしまいます。桃山建築の特徴で、お参りの前に穢れを落とすという意味が込められているそうなのですが、小心者の私には魂まで落ちてしまいそうでした。五大堂からの風景は、それはまあ素晴らしいの一言で、穏やかに波打つ海面に流れる雲と朝焼けのグラデーションが反射し、その上に松の茂る島々が浮かんでいる、日本三景の名にふさわしい絶景でした(冒頭写真をご覧ください)。

 しばらく見とれた後、お参りを済ませ五大堂を出ると、丁度目の前を、牡蠣を限界まで積んだ2tトラックが横切っていきました。そう、松島は何といっても牡蠣の名産地、海岸沿いには牡蠣の食べ放題や直売店が立ち並んでいます。今まで見たことのないほど大量の牡蠣に驚きましたが、そろそろいい時間。せっかくなので贅沢にも朝から海鮮を戴こうと思いお店を探すも、何とどこもまだ開店していません。パン屋さえも閉まっています。流石に遅すぎやしませんか…。仕方ないので間食用にと昨夜買っておいたコンビニおにぎりを凍えるベンチで食べます。二つあったのですが、寝ぼけていたのか一つはレンジで温めないといけないのを買ってしまっていました(食べたけど)。もう一つは焼きサバで、これがなんと大当たり。今ある鮭を全部置き換えていいくらいです。旅行の後、また食べたいと思い調べたところ、残念ながら期間限定だったようで。南無。この他にも、行けませんでしたがオルゴール博物館や山頂の展望台、名物のカレーパンもある松島、是非一度は訪れてみてはいかがでしょうか。

 次に乗るのはリゾートみのり号、18きっぷでも乗れる快速列車です。向かうは鳴子温泉、温泉大好きな私には有難い限りです。なんたって昨日は移動漬けでしたからね。寒かったので乗車前に自販機でふかひれスープという缶を買ってみました。冬の自販機の右下には大抵変わり種が置いてあるものです。どんなものかと思えばあっさりした普通に美味しい中華スープでした(ふかひれ?まぁ140円ですし…)。

 そうしているうちにリゾートみのり号が低いディーゼルの唸りと共にやってきました。約40年前の気動車を改造したこのリゾートみのり号は、濃い赤に金のラインを斜めに入れたシイタケみたいな重厚な外観で、内装は足元にかなり余裕がある快適なリクライニングシートや日当たりのよい大きな窓がついていて、最前部には前面展望が楽しめる椅子があります。さらに車掌さんを模したコケシや乗車記念スタンプもあり、鳴子温泉の各店舗で使えるクーポン券まで貰えるというリゾートの名に恥じぬ豪華さです。今日乗ってきたベンチシートの列車とは雲泥の差、感動です。ちなみに車内販売では車体と同じ色のかわいらしい和装をした乗務員さんがお土産を持ってきてくださる…のですが、前面展望を楽しんでいるうちに席を通り過ぎて行ってしまいました。無念。

f:id:nrcofficial:20200504114629p:plain

 やっと静かな車両で車窓を楽しめると思ったのはいいですが、こういう時ほど眠くなるもの、すっかり寝てしまいます。起きた時にはもう手遅れ、鳴子温泉駅に到着していました。悔しさと心地よさの混じる複雑な気持ちです。車内は観光客と18キッパーが半々でしたが、この駅で降りたのは大半が観光客で、恐らくキッパー達は終点の新庄まで行くのでしょう。ホームでは駅員さんと着ぐるみがお出迎えしてくれました。それにしても既に物凄い硫黄の匂いがします。近鉄鶴橋駅といい勝負。とは言っても温泉街っぽいのはこれと駅舎にある足湯くらいで、駅前は普通の住宅地と似たような風景です。鳴子温泉郷は五つの温泉地に分かれており、今回は時間の都合で最も駅に近い温泉しか入れませんでしたが、それぞれ全く違う泉質の温泉を巡り歩くのもこの温泉郷の楽しみ方の一つです。

f:id:nrcofficial:20200504114635p:plain

鳴子温泉駅

 私たちが訪れたのは駅から歩いて5分ほどの早稲田桟敷湯という共同浴場。その名前は早稲田大学の学生がこの源泉を掘り当てたことから来ているそうです。外見は明るい黄色の直線的でモダンな建物で、隣に図書室兼自習室が併設されています。しかしここ、入り口が分かりづらい!ぐるっと一周回ってみても分からず、中から人が出てきてやっと小さな入り口を発見しました。子供の身長ほどしかない扉を開けるといきなり階段が、それも結構下ります。まるで憧れの秘密基地のような構造でちょっとワクワクします。降りた先は普通の銭湯と同じような番台になっています。券を買っていざ浴室に入ると一気に空間が広くなりました。下った分だけ上まで吹き抜けになっており、古くも開放的で、しかし落ち着いたセンス溢れる造りです。鏡と蛇口だけの洗い場が壁沿いに並び、同じタイプの湯船が三つあるだけのシンプルな構成の浴場で、入った時にはまだ誰もいませんでした。入口との高低差は源泉の熱い湯を冷ますための水路の長さを確保するためだそう。お湯は半透明の濃い茶色で、持ってきた白いタオルが上がるころにはまっ茶色になっていました。やはり硫黄の匂いが強く、田舎がへき地の火山島だった私にはちょっと懐かしい感覚です。湯温ですがこれがあっつい!体感で45度はあります。入ろうにも中々入れず。慣れてしまえばなかなか気持ちいいんですけどね。長旅の疲れに温泉は効果てきめん、気を抜くとまた眠ってしまいそうです。そのうち地元の方がお二人入ってきました。お一人は昔教員をされていたそうで、私たちのローカル線の旅に興味を持って下さり、訪れた場所についてお話ししました。地元の浴場に行くと高確率でこういった気の良い方々が話しかけてくださいます。地域の気風に触れる貴重な機会であり、また人々の優しさも感じられて良い思い出になります。思わず話が弾んで長風呂してしまい、湯温が高いのを忘れて危うくのぼせるところでした。二人とお別れをして昼食を食べに共同浴場を出ようとしたところ、これまた分かりにくい細い通路を曲がった先に休憩室を発見。時間にも余裕があったので立ち寄ってみることにします。中は畳が敷いてあり、ストーブで温かく居心地の良い部屋です。先に地元のおばさまが一人入っており、お弁当を召し上がっていました。お話を聞くと、ここは観光客より地元民のほうがよく来て、住民同士で交流しているそうです。私たちが神戸から来たことを伝えると、なんと昔は神戸に住んでいたとのこと。またまた話が弾みます。その後、先程浴室で話していた方も上がってこられてにぎやかになります。こういった地域のコミュニティに間近で触れられたのは初めてで、都会にはない人間本来の繋がりの強さを実感します。休憩室を出ようとしたその時、おばさまからキャラメルを戴きました。大阪以外でもこの類のものはあるのですね。

f:id:nrcofficial:20200504114539p:plain

鳴子はこけしの産地としても有名

f:id:nrcofficial:20200504114546p:plain

鳥南蛮そば

 昼食に選んだのは近くにあった蕎麦屋さん。観光地によくあるような高級な所でなく、普通の街にあるような素朴なお店です。鳴子温泉郷の他の地域はわかりませんが、駅周辺は良心的な価格のお店が多いです。注文したのはせいろそばと鳥南蛮そばを二つ。私はせいろで、温泉で火照った体に流し込む冷たいそばは、冬にこたつで食べるアイスと似た快感があります。実はこのお店、リゾートみのりで貰えるクーポンを見せると、限定の天せいろそばがお得に食べられたのですが、完全に忘れていました。帰り際、私の好きな温泉卵でも買って車内で食べようかと思ったのですが、どのお店でもばら売りしておらず断念。温泉卵の置いてある温泉地は多いですが、一個から買える所って案外少ないんですよね。そういうことで鳴子温泉とはお別れ。また十分に時間を取って来たい、素敵な場所でした。

f:id:nrcofficial:20200504114553p:plain

 さて、ここからは一気に南下して会津若松を目指します。約8時間の移動です。今から乗る新庄行きの気動車には奥の細道がプリントされていました。この陸羽東線はおおよそ奥の細道と同じルートを辿っています。名残惜しくも静かに鳴子温泉駅を出発。ボックスシートに座りますが、みのり号と比べるとやはり辛いです。動き始めてから約10分、僅かですが雪が積もっているのが見えました。本来ここ一帯は12月には雪でいっぱいのはずなのですが、実際に積もっていたのは1キロほどの区間、それもほんの少しだけ。地元の方も今年はやけに少ないと仰っていました。豪雪というものを楽しみにしていた南方育ちの私には残念な限りです。まだまだ長い道中、ゆっくり流れる山々を楽しみながらおしゃべりをして過ごします。初めの方でも述べましたが、私は後輩3人ほど鉄道の知識はありません。皆無とまではいきませんが、路線を踏破して喜んだり、モーター音でご飯が食べれたりするくらいのマニアではないので30分も乗っていると寝てしまいます((殴。路線の詳細な様子がお伝え出来ず申し訳ありませんが、広い心でお許しください。

f:id:nrcofficial:20200504114559p:plain

誘惑のとれいゆつばさ(右)

 新庄に到着しました。体感では結構乗っていたように思いますが、まだ8分の1しか進んでいません。次の列車は山形行きです。そう、出発地点から一周して戻るわけです。ところでここは新幹線との共用路線、乗る電車の隣には、車内に足湯を備えたとれいゆつばさが止まっています。ここで追加料金を支払えば福島まで1時間早く、乗り換えなしで、しかも足湯しながら行けちゃいます。なんて強力な誘惑でしょう。随分迷いましたが、ケチの精神には抗えず断念。泣く泣く鈍行列車に乗り込みます。そこまで混んでいる訳ではありませんが、ロングシートは乗客で埋まっています。ここまで来ると観光客は少なく、ほとんどが地元の方々です。このシートではトランプも出来ないので…もちろん寝ます。ごめんなさい。

 山形駅では約1時間列車待ちです。しかし駅周辺にはこれといった見所もなく、列車の本数も少ないのでちょっと寄り道なんてことも出来ません。近くのショッピングモールで県内の高校の音楽部がライブをやるそうですが、開演時間が出発時刻に間に合わず、結局お土産を買っただけで過ぎてしまいました。

 次に乗るのは米沢行きです。無事に席をゲットし夢の中へ…と思いましたが眠れません。なぜなら座席が熱い!冬あるあるですが、車両のヒーターが座席の下にあるので時折びっくりするくらい熱くなるのです。温かいのは嬉しいですがこればかりは勘弁ですね。こういう時はトランプに限ります。鉄研部員は旅行の際トランプを持参することが暗黙の了解になっています。トランプは楽しいですが、実は私、カードゲームがめっぽう弱いのです。この旅行を通しての勝率は良くて一割くらいとなんとも悲惨。私は子ども食堂にシェフ()として毎週行っているのですが、そこのベトナムの子たちにも「先輩弱すぎ!楽しくない!」と言われてしまいます。弱いのにやりたがるからタチが悪いですよね、私。

f:id:nrcofficial:20200504114605p:plain

 そんなこんなで米沢に到着しました。まだ5時半ですが既に真っ暗です。乗り換えの列車はもう入線していましたが、体を解すため、荷物と後輩2人を置いてみやまき君と駅を歩くことにします。大阪なら通勤客で一杯の時間ですが、ここにはほとんど人がいません。そして米沢といえば米沢牛、ホームでは恐らく最も有名な駅弁の一つである、牛肉どまん中弁当が売っていました。すると駅弁を売っていたおじさんが、もう店じまいをするからと弁当を全て3割引にして下さいました。ということで塩、味噌、醤油、カレーの四種類の味が楽しめる味くらべ牛肉どまん中弁当を明日の用に買いました。お得に良い食事がゲットできてラッキーです。列車は出発し、福島へ向かいます。

 本日6度目のおはようと同時に福島駅に到着です。ここは列車の本数こそ大阪とは比べ物になりませんが、ターミナルなだけあって商業施設も併設されており人通りも多いです。乗り継ぐ度に人が増えたり減ったりして目まぐるしいですね。この時点で私の体力はもう無くなりかけているのですが、まだあと鳴子温泉から会津若松までの4分の1が残っています。時間にして2時間、過酷です。ああ、とれいゆに乗っていればどれほど楽だったことでしょう。やはり新幹線は偉大です。この駅ではJRの隣にホームがある、私鉄の阿武隈急行福島交通をチラッと見てきました。今年度の鉄研旅行でお世話になった路線です。ついでに駅ビルでお土産も探そうかと思いましたが、時間が許さず断念。列車を乗り換え郡山へ向かいます。駅には人が多かったですが、車内は案外ガラガラです。

郡山まで来ましたが、ここでも雪は見られません。昨年末は大雪と騒がれていましたが、今年はどうやら真逆の様子。あえて掘り下げることはしませんが、温暖化の影響で気候が不安定になっています。みんな、鉄道、乗ろう!ここはポジティブに、雪で足止めされずに済んだと捉えましょう。この駅も人気が無く物寂しい雰囲気がします。闇夜に伸びる真っ直ぐな線路とポツンと光る街灯がロマンチックで心惹かれます。妙に詩人ぶっていますが、これは今4人だから怖くないのであって、もし独りぼっちだったら間違いなく新幹線で東京まで逃げていたでしょう。乗り換え時間も長くないのでさっさと列車に乗り込みます。これが本日最後の移動です。あともうひと踏ん張り…する間もなく睡魔に完敗。ダメダメです。

 ついに到着しました会津若松。途中ずっと寝ていましたが、それでも長かったです。勿論その分風景や弁当などの収穫はありましたが。駅前には名物の喜多方ラーメン屋と今日泊るホテルしかありません。駅から歩いて行ける唯一のコンビニのNewDaysは既に閉まっており、人通りなどほぼ皆無です。結構名の知れた駅でもここまでとは。早速チェックインして部屋に荷物を置きます。現在9時前、もうパパっと食事と風呂を済ませて寝てしまいたい所。もう後は楽だと思っていましたが、苦行はまだ終わりません。貴重品だけ持って事前に調べておいた近くの中華料理店に向かいます。が、なんと閉店時間を過ぎていました。どうやらネットの情報が古く、早くなった閉店時間を見逃していたようです。それならばと先程の駅前の喜多方ラーメン屋に行きますが、なんとなんとこちらもラストオーダーを過ぎています。もう見える範囲に飲食店はありません。急いでまだ開いている店を調べると、歩いて7分の場所に一軒、喜多方ラーメンの店を辛うじて発見しました。閉まらないうちに急いで向かいます。なんとか入れた店内は、駅前の閑散さに反してそれなりに人がいます。やはり地元の方々は自動車を使うのでしょう。

f:id:nrcofficial:20200504114609p:plain

 喜多方ラーメンはしょうゆベースのスープに中太のちぢれ麺で、トロトロのチャーシューがたっぷり乗っているのが大きな特徴。こってり系かと思いましたがかなりあっさりしていて、疲れた体に染み入る優しいお味です。ちなみに、喜多方ラーメンには朝ラーという文化があり、その名の通り朝食にこのラーメンを食べるというもの。初めはどうかと思いましたが、これならば手軽にがっつり食べられるので力が出せますね。駅そばが駅喜多方ラーメンになればサラリーマンはもっと仕事に精が出るかも?

 時間ぎりぎりで腹を満たした後は風呂に入ります。私たちの泊ったホテルでは、近くにある天然温泉に無料で入ることができます。しかしこちらも最終入場ギリギリ。閉館時間までは余裕があるのですが、急がないと入館には間に合いません。駆け込んだ館内は天井が低く、暖房がよく効いて湯冷めしないようになっています。外が特に寒い、東北ならではの工夫が感じられます。浴室は大変広く、露天風呂まで付いていました。メインの浴槽にはザボンが浮かんでおり、柑橘のいい香りがします。サウナがあったので入ったのですが、これがびっくりするくらい熱いのです。歩く風で顔が火傷しそうになるほど。今まで入ったどのサウナよりも熱く、10分もしないうちに出てしまいました。水風呂もあったのですが、なぜか温度も水質も同じものが離れた場所に二つ。まあ十分広いから気にはなりません。ところで私、実は鉄研で一番長く水風呂に入れます。というのも、鉄研旅行にて耐久選手権をしたのですが見事優勝。別に何の自慢にもなりませんけどね。広い風呂を楽しんだ後はしばらく休憩所のソファーで休んでいました。温泉の後は急に魂を抜き取られたかのように倦怠感が起こります。気づかぬうちに代謝を起こしているからなのですが、城崎温泉など湯めぐりを楽しむところでも、一湯目で歩く気が無くなるので困ったものです。何か飲み物をと思い自販機に目を向けると、何と瓶のコーラとファンタが売ってあります。瓶コーラは時たま見ますが、ファンタは初見だったので買ってみました。特にペットボトルより美味しいとかはありません。こんなものはぶっちゃけ気分ですよ。3人も瓶を買っていましたがどうやら自販機に備え付けの栓抜きに苦戦している模様。この頃このタイプの栓抜きはあまり見ないので仕方ありませんが、私は意地悪な先輩なのでちょっとからかってしまいました。

やっとこさホテルに帰ってきたところ、気づけばもう11時過ぎです。ホテルのコインランドリーに私といわんぐ君の洗濯物を入れ、翌朝の準備をしてしまいます。こういう時男子高校生同士だと気を使わなくて楽ですね。パンツが入れ替わっていても気にしません()。思わず寝てしまいそうになるのを我慢して1時間後、洗濯物を取りに行きますが、ああ、服が乾ききっていません。乾燥に40分追加です。もうまぶたは限界。しかし寝てしまうと翌日はシワシワの洋服を着る羽目になります。何とか耐え、やっと眠るころは既に1時前です。明日も始発で出発、一体これは何の修行ですか?