灘校鉄道研究部公式ブログ

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1.夏期取材旅行の記録 Vol.8:四日目前半[大湊線班] 【2020年灘校鉄道研究部部誌「どんこう」】

日目 29日 前半

大湊線

 おはようございます。アラームに叩き起こされ、時計を見ると朝の5時。いやあ眠い。何でこんなに早くアラームをセットしたんでしょうかね……

 そんなことはおいといて、旅館からタクシーで八戸駅に向かった一行は、青森行きの列車に乗り、野辺地に向かいます。実はこれから乗る八戸~野辺地間、津軽線班も同じ列車に乗ります。八戸駅停車中に 車内で7先輩が鳥羽土産のクッキーを持ってきてくださり美味しかったです、有り難うございました。

 さて、野辺地駅に到着。津軽線班と別れ、こちらは大湊を目指します。ホームに降りると向かい側のホームに、これから乗るキハ110の2両編成の列車が停車しています。4分しか乗り換え時間がないため急ぎ気味で跨線橋を渡ります。無事乗り換えることが出来ました。

 

 すぐに列車は発車します。車内のお客さんは決して多くはないという感じでした。地元の人の需要と言うものはどれほどあるんでしょうか、気になります。

 こんなことを考えているうちに列車は有戸駅を発ちます。駅を出てすぐ、左側の車窓に見えてきたのは、なんと……風力発電の)風車と海! 少々曇っているのが残念なのですが、雄大です。陸奥湾にうっすらと見えてきた、あの陸地は夏泊半島でしょうか。めちゃ良い景色です。それにしてもこの大湊線、ただ海と緑があり、たまに民家と風力発電の風車がある、そういう風景が多い気がします。さて、列車は吹越駅に停まります。するとこんな看板が。「下北半島へようこそー 日本一の菜の花畑の町」

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風車と海。なんか雄大

 左側に流れていく陸奥湾をぼんやりと眺めているうちに下北駅に停車。ここは「本州最北端の駅」、隣駅である大湊駅よりわずかに北にあるせいで、大湊駅は「本州最北端の駅」を名乗ることが出来ないそうです。代わりに、「てっぺんの終着駅」などと名乗っているそうです。もうここまできたらどっちでも良いような…… そんなことを考えている間に列車は大湊駅に滑り込みます。

 駅舎を後にした我々はかなり自由時間があるので、先輩と大群で港に向かいます。いやあ、清々しい天気で何より。空の澄んでいる青と雲の白、そして恐山の緑が映え、めちゃ綺麗です。アニメみたい。商店街を通り抜けるのですが、途中、天然の湧き水みたいなものがあり、飲んでみました。純粋な味でとても美味しかったです。商店街を左に行くと本格的に海が見えてきます。こちらも空と同じで澄んでいて、これこそ「地平線まで続く海」。さて、絵に描いたような景色を堪能した後、我々は、「大湊ホタテセンター」に入っていきます。しかしこのホタテセンター、建物がこぢんまりしているのに加え、こちらは十数人という大群で押し寄せている訳ですから、部員たちは店外へあふれ出ます。ぎゅうぎゅう詰めになっていますね…… お店の方、ごめんなさい。

 そこでは、先輩とお店の方とで恐山や大湊の海の幸等について話していました。特に前者の話題では、恐山にある神社に石が積み重なっているのですが、ある人がそれを持って帰ると何かしら体に病気が起こり、それを祟りだと恐れて石を返しに行くとその病気が治ったという伝説を話していらっしゃいました。その後恐山+αの写真が載ってあるポストカードを見せて下さいました。僕達は店を後にしました。結局部員たちは何も購入せず店を去って行ったのですが、その店で売られているものもまた美味しそうなものばかり。加工食品とかも美味しそうでしたが、やっぱり一番美味しそうだったのは、養殖していたホタテやウニなどでしょうかね。いやこれ絶対うまいだろ!! ってことで食べてみたかったのですが買いませんでした。また大湊に来る機会があれば是非食べてみたいです。値段も安かったので。

 すると、先輩の1人が近くの商店に入っていきました。それにつられみんなも店内に。そこは、関西にもあるような、所謂「普通の商店」みたいな感じでしたが、その雰囲気が良かったです。そこでも先輩と店のお姉様が会話してました。僕も聞き入ってしまいました。そのお姉様はこの大湊に生まれ育ったものの、あまり青森(の中心部)などに行ったことがないそうです。理由は、交通があまり便利ではないから。考えてみると確かに、大湊線から八戸、青森に行く直通列車は一日に数本であり、大湊線自体も2~3時間に1本のぺースです。実際、青森のねぶた祭りに行ったのは高校生になってからが初めてだそう。どうやら地元の人の大湊線の需要は大きくなさそうです。

 また、自身のおじいさんのことについても話してくれました。どうやら大湊線が出来る1年前に中学を卒業なさったということですが、1年待って大湊線が出来てから高校に進学なさったということです。その時、大湊線を使って通学していたそうですが、同級生が、なんと…… あの太宰治だったそうです。すご。話をみんなで聞いた後、帰る途中、僕が行きに見つけて飲んだ湧き水をみんなが発見します。もう飲んでいるのでやめておこうかとも思いましたが、結局みんなに便乗して飲んでしまいました。いやあ美味しい。やっぱ飲んで良かったです。

 とのことで野辺地に到着。ホームの外に出て昼飯を食べることに。駅にある蕎麦屋さんで熱い蕎麦をいただきます。さっきアイスを食べておなかが冷え気味だったので生き返ったような気がしました。追加で唐揚げも車内用に購入。食べた後は特にすることがないのでまた改札に入ります。するとこんなものがホームから見えました。「日本最古の鉄道防風林」へえ。さすがにこんなところまでは知りませんでした。他にホームでしたことと言えば、先輩方が鳥を撮影していたことくらいでしょうかね。はい。 さて、大湊駅に到着。帰りに乗る車両が停まっています。すぐに改札が開き、5人集まって駅員さんに18切符を見せホームへ。車内のボックスシートを陣取って撮影をしにホームへ再び降ります。この大湊駅、ホームから海が見えるんですね、知りませんでした。それにしても綺麗だなあ。そんな感じでしばし撮影を楽しみ、そろそろ再び車内へ。列車は動き出したので、ここでアイスを食べます。車窓については、少し空が青くなった位で行きとほぼ同じでした。この列車、「快速」と名はついていますが、所要時間に関しては行きに乗った普通と同じような感覚でした。通過駅もあまりないし。

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野辺地にて。日本最古の鉄道防雪林

 暇をもてあましていると青い森鉄道の列車がきました。しおりを見たり部長さんからシールを配られたりしているといつの間にか青森駅に着いていたような記憶です。では、大湊線班はここまでにさせていただきます。引き続き旅をお楽しみ下さい。有り難うございました。

【文責 中学三年 No.7616】