灘校鉄道研究部公式ブログ

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山陰本線で途中下車【18きっぷで巡る西日本旅行記】第1部~兵庫県北を巡る旅~

前回の続きです。

3 兵庫県北の素晴らしい観光地たち

 「玄武洞」皆さんも聞いたことがあるかもしれませんし、もしかすると訪れたことのある方も多いかもしれませんね。地学の授業で習う岩石「玄武岩」の名付け親です。地学の授業のネタで言うとこの洞窟は美しい柱状節理が見られることでも有名ですね。柱状節理とは、岩石が柱状に割れること。六角柱となることが多く、それが束になった光景は非常に綺麗です。ちなみになぜ岩石が細長い柱状に割れるのかというと、溶岩が固まって岩石となる過程で収縮し、小さくまとまろうとすることでいくつもの細長いブロックができるからだそうです。

 旅行記に戻ります。玄武洞玄武洞駅から円山川を挟んで対岸にあるのですが、駅と玄武洞の間で渡し舟が設定されていて、おとな300円で10分もかからず玄武洞の目の前まで運んでくれます。これが小さなボートなのですが、結構スピードを出して川を渡ります。流れていく水面の景色は迫力があって遊園地のアトラクション的な面白さがありました。ちなみに電話で予約しないと船は来てくれませんので、玄武洞ミュージアムのホームページなどで情報を確認してから訪れると良いと思います。

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円山川を渡る渡し舟。水面に近く迫力があります。

 玄武洞周辺は玄武洞公園として整備されています。先述の玄武洞ミュージアムにはレストランやお土産のお店も併設され、観光客も結構見られました。さていよいよメインの玄武洞に近づきます。玄武洞は大きな崖の中央付近に洞窟が開いているものなのですが、その崖は高く、崖の面は岩が割れて特徴的な模様ができています。これを見て最大の感想が、「大きい。」そして「迫力がある。」。月並みな表現になってしまいましたが、その迫力は相当なもので、「圧倒される」とはこのことか、というような心境でした。玄武洞公園には玄武洞のほかにも幾つかの洞窟、岩石が見られる場所がありまして見て回りました。それぞれ岩の特徴が際立っていましたね。

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玄武洞。少し遠くから撮影した写真ですがその大きさが伝わるでしょう。

 帰りも渡し舟を利用しまして駅へ。山陰本線で一駅移動し城崎温泉へ向かいます。

  玄武洞 13:11

  ↓普通/浜坂行(山陰本線

  城崎温泉13:16

 城崎温泉に到着。大混雑です。8月に行われた鉄研旅行のころは人が少なかったようですが(2018年鉄研旅行1日目)、今は真冬。温泉シーズンでございまして、良くも悪くも人がいっぱいです。駅前から商店街のようなものが伸びているのですがお土産屋や飲食店が立ち並び活気がありました。5分ほど歩くと大谿川沿いに温泉旅館が立ち並ぶ典型的な城崎温泉のイメージ図の中に身を置くことができます。こちらは商店街の一帯を抜けた後ですので観光地の高揚感から一転、静かで風流な感じ。ちょっと散歩して駅の方へ戻ります。ここでにわか雨…というか雹のようなものが降ってきました。にわか雹。といっても本格的な大きい雹ではなく霙に近いものでもあったのですが、道路のアスファルト上を跳ねる氷を見ることが出来ました。

 髪の毛や上着に付いた氷とともに、城崎温泉駅前へ。城崎温泉で有名な外湯巡りができる温泉の一つ「さとの湯」に入ります。別に温泉について書いても仕方がありませんが、透明なお湯でした。屋上には露天風呂があったり、いい感じ。寒いときは温泉がいいですね。

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城崎温泉といえば」という景観。有名というだけでなく、大変美しいです。

4 国鉄型車両のボックスシートで行く山陰本線の旅

 城崎温泉を後にし、山陰本線を西へ。乗車するのはたらこ色のキハ40の普通列車。ただこの乗車に関しては鉄研旅行記でほぼ同じ体験・記述がなされていますので(2018年鉄研旅行記1日目)、少し感想を書き留めるだけにしておきます。(※当時2019年度部誌掲載予定だったため、同誌に掲載済みの事項は省略されています。申し訳ございません。)

  城崎温泉14:57

  ↓普通/浜坂行(山陰本線

  浜坂  16:01

 まず乗車して思ったことは、「混んでる」。城崎温泉駅も人が多かったですが、列車も混んでいました。何度も言っているような気がしますが、年末で旅行者が多いという要素もあるでしょう。ただ、一つ理由として思いついたのは、城崎温泉以西は特急列車が減るということ。城崎温泉から西に出る特急列車ははまかぜただ一つですが、これも一日4本でうち1本は香住、2本は浜坂止まり。鳥取まで行く便は1本しかありません(旅行当時)。京都府山口県を結ぶ長大な幹線、山陰本線の一部だけに、少々寂しさを感じなくはないですね。

  浜坂  16:03

  ↓普通/鳥取行(山陰本線

  鳥取  16:47

 もう一つ。私の単純な感想ですが、この区間はとても良かったです。これは太平洋側に住んでいることによって日本海側に新鮮さを感じているだけかもしれませんが、車窓や車内の雰囲気に旅情を感じました。乗車中の見どころとしては、進行方向右側にちらほら見ることのできる日本海と、途中の餘部鉄橋あたりでしょうか。ところでこれは今日知った話なんですが「余部」という地名は古代律令時代、民衆を一定数ずつグループ分けしていったときに、端数で「余って」しまったことからつけられたと考えられているそうです。面白いですね。あと気づいた方、知っている方もいらっしゃるでしょうが駅名は「餘部」地名は「余部」です。これは「余部」の土地に駅を作る際、姫新線の余部(よべ)駅と混同することを防ぐ目的で漢字を「餘部」としたことによるものです。ちなみにこの日、餘部でも途中下車するつもりだったのですが、臨時快速山陰海岸ジオライナーの運転日を確認するのを忘れておりまして降りられませんでした。残念。

 

続きは次回で。ご覧いただきありがとうございました。

 

 

執筆:No.7405

校正:No.7506