運賃と輸送形態から鉄道を読み解く(起稿班研究第二号・その3)
今回も引き続き都市間の運賃について述べさせていただきます。今回は関西地区をとりあげます。
(2.特定の都市間の運賃の続き)
β:関西地区
①京阪神間
A)京都~大阪
JR西日本 京都~大阪 560円
B)大阪~神戸
JR西日本 大阪~三ノ宮 410円
大阪~神戸 410円
阪急電鉄 梅田~神戸三宮 320円
梅田~高速神戸 450円
阪神電鉄 梅田~神戸三宮 320円
梅田~高速神戸 450円
C)京都~神戸
JR西日本 京都~三ノ宮 1080円
京都~神戸 1080円
関西はJRと私鉄の競争が激しいと言われることもしばしばありますが、その象徴とも呼べるのが京阪神間ではないでしょうか。今回は運賃面しか触れませんが、それ一つとってもJRも私鉄もかなり安く設定されています。A)についてはそれぞれの終起点がばらばらですが、基本的にその会社の京都・大阪での中心駅を挙げたつもりです。この区間ではJRは私鉄の1.3~1.4倍になっているという情勢です。B)では神戸よりの中心駅を三宮と神戸の二つを挙げました。阪神・阪急は高速神戸に行こうとすると神戸高速線でかなりお金がかかるのが弱みかもしれません。逆にJRは六甲道から神戸までずっと同運賃なのがある意味利点といえるでしょう。ただC)でわかる通り、京都から神戸になればJRが長距離で他社以上に運賃が上がる傾向を持つこともあって阪急との値段の差は歴然としております。
②大阪から和歌山・奈良方面
A)大阪~関西空港・和歌山
JR難波~和歌山 1080円
JR難波~和歌山市 1140円
なんば~和歌山市 920円
B)大阪~奈良・大和高田・桜井
JR西日本 JR難波~奈良(*3) 560円
JR難波~高田 670円
JR難波~桜井 840円
大阪難波~大和高田 490円
大阪難波~桜井 690円
*3:JR奈良駅と近鉄奈良駅は乗り換え駅ではありません(徒歩約15分)
*4:JR高田駅と近鉄大和高田駅は乗り換え駅ではありません(徒歩約8分)
大阪~和歌山間の輸送の大阪側の拠点は実質天王寺駅ですが運賃比較のためJR側の起点は難波としております。有料特急の項で詳しく述べますがこの区間も有料特急が数多く走っております。関西空港へは関西空港線の加算運賃が響いてどちらも和歌山までと同じくらいの値段になってはおりますが、距離的に南海が安くなっています。ちなみにこの加算運賃は両社の関西空港線の建設を関西空港が担ったことが原因で発生しています。和歌山市内の中心地はJR和歌山駅と南海和歌山市駅の二つを設定いたしました。
大阪~奈良(郡山)間の輸送はJRも近鉄も同額ですが、これでは述べていませんが香芝、さらには大和高田や桜井へとなると距離の違いなどからJRが近鉄よりも1.2~1.4倍高くなっています。
今回はここまでです。お読みいただきありがとうございました。次回は中京地区について研究させていただきます。
執筆者:No.7210
校正:副編集長(No.7005)