南海7100系1次車(車両研究紹介・南海その2)
☆7100系とは?
7100系は1969(昭和44)年から1973(昭和48)年にかけて、架線電圧昇圧における改造の対象から外された在来車の置き換えのために東急車輛・近畿車輛で製造された車両です。普通鋼製で制御方式も超多段式バーニア制御方式が採用され(制御器は7000系と異なる)、前面も7000系と変わりはないですが、ドアは両開きで戸袋窓はなくなり、側窓は1枚ガラスの下降窓にされています。また、台車はS型ミンデンになっています。この記事では1969(昭和44)年製造の1次車について説明します。
(↑2015年12月に廃車された7123F・7890-7162編成。1次車は早期に廃車されたため写真がありません… 2015年8月21日、新今宮駅にて)
☆1次車の製造
1969(昭和44)年に7101F~7117Fの計36両が製造されました。当形式には7101形(Mc)、7851形(T)、7951形(Tc)があり、1次車にはcMTTMcの4両編成のみ在籍していました。
1次車の編成は以下の通りです。
←難波
7101F:7101-7851-7852-7102 7103F:7103-7853-7854-7104
7105F:7105-7855-7856-7106 7107F:7107-7857-7858-7108
7109F:7109-7859-7860-7110 7111F:7111-7161-7162-7112
7113F:7113-7163-7164-7114 7115F:7115-7165-7166-7116
7117F:7117-7167-7168-7118
※斜字の車両(7105F・7107Fの和歌山市側2両・7109F~7113F)は局部更新工事を受けています。
また、7101F・7103F・7105Fについては6100系の完成が遅れたため、暫定的に高野線で運用されましたが、6100系の導入後南海線に戻っています。
(↑普通車運用にはいる7179F。 2015年9月22日、二色浜駅にて)
☆冷房化
1次車は非冷房車で、方向幕がまだ取り付けられていなかったため、1977(昭和52)年に方向幕が取り付けられました。また、1979(昭和54)年から1982(昭和57)年に分散冷房方式の冷房装置が設置されました。パンタグラフの位置は難波方Mc車と和歌山市方Mc車の難波側に1つずつで7000系非冷房車と同じですが、当形式では冷房化後もパンタグラフの位置は変更されていません。
☆局部更新工事・廃車
1985(昭和60)年から一部の車両(上記)に車体を修復する局部更新を施行したものの、工事を受けた車両は18両にとどまり、1000系の導入で余剰となったため1998(平成10)年から廃車が開始、2003(平成15)年に1次車は全廃となりました。ただし、7102・7852は1996(平成8)年に自動車と接触して破損したことにより廃車され、その代替として高野線で余剰となった22017Fが1998(平成10)年まで活躍しています。
(↑7173Fサザン。 2015年12月16日、今宮戎駅にて)
執筆:No.7212
校正:編集長(No.7005)