和田岬線について(前編)
今回は、JR兵庫駅から出ている小さな路線、和田岬線について見ていきます。
①和田岬線とは
和田岬線は、JR兵庫駅からJR和田岬駅までを結ぶわずか2.7㎞の路線です。利用者は川崎重工の勤務者がほとんどなので、ラッシュの時間帯以外は走っていないことから都会のローカル線とも言われています。
②路線について
和田岬線は和田岬駅に改札がないため、兵庫駅で和田岬線の精算を終わらせてしまいます。
※これは、兵庫駅の和田岬線専用改札の先には和田岬線のホームしかないから可能なことです。なので、改札にきっぷを通しても出てきません。初めて乗る人はびっくりしますね。
また、以前は兵庫と和田岬の間に鐘紡前駅という駅がありましたが、1962年に廃止されました。あと、なんといっても本数の少なさ。日中は運行なし、日曜・祝日は一日2往復です。そして、路線内に川崎重工の工場と分岐する線路があり、川崎重工で作られた車両は和田岬線を通って運ばれていくのです。
③車両
ここまで和田岬線という路線についていろいろ見てきましたが、これからは車両についてです。
和田岬線は開通当初は電化していなかったので、ディーゼル機関車DE10に客車オハ64やオハフ64などを使っていましたが、その後1990年にキハ35形とキクハ35形の各300番台に置き換えられました(1990年時点でもまだ電化していません)。
画像は 国鉄キハ35系気動車 - Wikipedia より
キハ35形 しかしこの車両、ドアが片方は3ドア、もう一方は1ドアなんです。この理由は、このキハ35形が、和田岬線専用車両で、兵庫駅と和田岬駅のホームが同じ側にあることから、もう一方のドアがあっても開閉することがありませんので、非常時のドア以外は、埋め込んでしまったからなんです。
そこまで和田岬線に特化した車両を作りだしたJR西日本ですが、2001年には電化され、キハ35から103系電車に変わります。
和田岬線103系R1編成 Tc103-247・Tc 103-253
この103系は大阪環状線から転属してきた編成で、網干総合車両所所属です。また、この編成は原型に近く、ドアは西日本の場合
ガラガラガラ プシュ!
と鳴るものに改造されていますが、この編成では
プシュ! ガラガラガラ
という初期のままになっています。そしてもう一つ、妻面にある窓が一部残っていることです。
妻面の窓 クハ103-247
大半の103系ではこの妻窓は埋め込まれているのですが、和田岬線103系の一部の車両には残っています。
この二つはなかなか今では珍しいものなんです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は、山陽本線内で行われる和田岬線車両の回送について見ていきます。
執筆:No.7506
校正:No.7212(起稿班班長)