「京阪ホーム酒場」レポ
京阪電鉄中之島線:中之島駅にて、12/14(水)~12/17(土)という日程で開催されていた「京阪ホーム酒場」。その様子を視察してきましたので、寄稿しようと思います。
そもそもこの企画、今年の6月に開催された同名の企画が約7000名の動員を記録し、大変好評であったため、2度目の開催が決まったというもの。前回の同企画に関するプレスリリースを見てみると、
”中之島エリアの活性化や魅力発信を目的として、平成28年6月22日(水)~25日(土)まで、中之島駅に停車した電車とホームを会場に、レトロ感あふれる立ち飲みスタンド等の飲食店を並べた「中之島駅ホーム酒場」を開催します。”
”通常は営業運転に使用している2200系車両や中之島駅3番線ホームを、「ノスタルジー」をテーマに、立ち飲み・テーブル席・ちゃぶ台・囲炉裏席・野点席など変化に富んだ空間に変身させ、お好みの空間で飲食を楽しんでいただけます。”
とあります。この企画の協力会社の一つであるサントリー株式会社や京都伏見に店を構える中畝酒店など、計9業者が参加しました。元々、中之島駅3番ホームは主に臨時列車などが使用する予備ホームという扱いで、今回はそれが有効活用された形となっています。地方私鉄では、お酒を提供するイベント列車が運行されている事例が多々あるものの、「大手私鉄である京阪電鉄が、オフィス街のど真ん中に位置する中之島駅で、ホームを丸々使用して酒場を開く」という同企画は、他社と一線を画すとても面白い取り組みと言えるでしょう。
そして今回のホーム酒場なのですが、業者数こそ8社と減少したものの、協賛会社に大手酒メーカーのアサヒビールが加わったことが特筆されます。出店店舗も約半数が入れ替わっており、業者数の減少に関してはそこまで深い意味は無いようです。また使用車種は前回の2200系から5000系(5556F)に変更されています。プレスの中で‘今回は、座席昇降で有名な5000系車両が中之島駅3番線でお出迎え。’という表現がされているので、もはや車両までも集客の種にしようという電鉄側のオタク精神溢れた(?)策略が伺えます。
(これより先は、筆者が12/16に現地で視察したことを基にしたレポートとなります。)
まず使用する5000系車両ですが、17:00開場となる平日(12/14~12/16)は、14時台に寝屋川車庫を出庫し中之島駅へと送り込まれました。14:00開場だった12/17に関しては未調査です。
(↑14:40頃 森小路駅にて)
中之島駅に到着すると早速目に付く貼り紙が。
階段を上がりコンコースに出ると、今度は立て看板が鎮座。
説明の通り、改札外に特設ゲートを設け、直接3番ホームには入れないようになっていました(前回も同様)。
会場へと通じる特設ゲート近辺は、このようにバルーンの装飾がなされていました。
ゲート横の看板。入場料は前回、今回とも1000円です。下には「場内禁煙」「騒ぎ過ぎないように」「未成年のみでの入場の禁止」などの注意書きも。筆者はもちろん未成年ですので、内部に入っての調査は出来ませんでした。
ゲート近辺には京阪グッズの直売コーナーが。酒を呑んでいい気分のオジサマに気前よく買ってもらおう、ということでしょうか…?
肝心の車両はこのように留置されていました。ホーム酒場の副標、前回は回送時から装着していたのですが、今回は中之島駅到着後に装着という形になったようです。
17:00の開場後、すぐに賑わい始めました。売り子の方々も大忙しです。ちなみに、1,2番ホームでも5000系を撮影する人(筆者もその中の1人)で賑わっており、あらゆる意味でこのホーム酒場に対する関心の高さが伺えました。
2度目の開催となった「京阪ホーム酒場」。ユニークなこの試みは、多人数の集客という形で実を結んでいるように感じられました。京阪電鉄はこの取り組みの他にも、数多くの楽しいイベントを実施しています。是非参加してみてはいかがでしょうか。
・https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2016-05-24_nakanoshimaeki-home-sakaba.pdf
・https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2016-11-24_nakanoshimaeki-home-sakaba.pdf
執筆:No.7203
校正:編集長(No.7005)
<特集> 2016年春ダイヤ改正 京阪②<詳細分析編1> (特集第一号・番外編その1)
みなさんこんにちは。先日(2月18日)に一旦完結しました第一号特集記事ですが、今回からはその番外編として、
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本編で取り上げていなかった会社の改正内容の紹介
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本編で取り上げていた地域の一部(基本的に関西地域)について、実際の時刻表や利用状況を見てみての考察
を行っていきます。この番外編は今後改正時期にかけて不定期で数回掲載する予定です。
番外編の最初となる今回の内容は、本編第12回(http://nrcofficial.hatenablog.jp/entry/toku01_12)で概要に触れた、京阪ダイヤ改正の詳細についてです。昨日から京阪の公式サイトで各駅の新ダイヤの時刻表が見られるようになりました。これをもとに、本編で触れていた点を中心に具体的に詳しい内容を見ていきたいと思います。
①特急関連の所要時間短縮と日中のダイヤパターン変更
日中時間帯の特急の所要時間(各支線の駅と本線の駅の間の所要時間を含む)を短縮することは、今回の改正の目玉の一つとされています。改正後の特急の淀屋橋-出町柳間の所要時間は54分となっています。これに関連する変更点を見ていきます。
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日中の特急運用は、現在が13運用のところが12運用になる見込みです。このうち8運用が2扉車、4運用が3扉車での運用となります(平日・土休日とも)。
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特急の速達化に伴い、準急の特急待避駅が変更されます。改正前は枚方市・丹波橋・三条で待避を行っていましたが、改正後は香里園・樟葉・丹波橋・三条での待避に変更されます。これにより、淀屋橋~京橋間各駅と枚方市駅との間の有効本数が1時間に12本から6本となり、特急に乗客が集中する可能性があります。
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交野線については、私市発枚方市行きの日中の発車時刻が変更されます(x2分発→x4分発)。本線の時刻変更・時間短縮とあわせて、特に京都方面各駅と交野線内各駅との間の所要時間が短縮されます。
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宇治線については、中書島発がx4分発からx0分発に、宇治発がx2分発からx9分発に変更になります。本線の特急と宇治線への接続時間は基本的にほぼ従来どおりですが、宇治線→淀屋橋行き特急の接続時間は2分に短縮されます。
これに関係して日中のダイヤパターンが変更されます。本編第12回でも触れていますが、ここでも触れておきます。
改正前 |
改正後 |
||
出町柳発着特急 |
6本/h |
出町柳発着特急 |
6本/h |
樟葉発着急行 |
3本/h |
出町柳発着準急 |
6本/h |
出町柳発着準急 |
3本/h |
||
出町柳発着普通 |
3本/h |
枚方市発着普通 |
3本/h |
萱島発着普通 |
3本/h |
萱島発着普通 |
3本/h |
なお準急が増発されるため、萱島駅や光善寺駅から大阪市内各駅への利便性は向上することとなります。
<以下2016/3/5 補足>
今回の改正により、西三荘・門真市・古川橋・大和田の各駅から京都方面の各駅(樟葉以遠)に向かう場合に関しては従来より不便になるようです。
従来は、萱島行き普通から出町柳行き準急に萱島で乗り換え、その準急から枚方市で特急に乗り換えるパターンと、出町柳行き普通から枚方市で特急に乗り換えるパターン(枚方公園・枚方市・樟葉へ急ぐ場合は香里園で急行に乗り換え)がそれぞれ毎時3回あり、有効本数は毎時6本となっていましたが、改正後は萱島行き普通から萱島で準急出町柳行きに乗り換え、枚方市ないし樟葉で特急に乗り換えても、後続の普通枚方市行きから枚方市で特急に乗り換えても同じ特急となるため、有効本数が毎時3本となり使いずらくなるようです。なおこれは逆方向についても同じです。
<補足ここまで>
②快速特急「洛楽」の定期運転開始
土休日ダイヤにおいて快速特急「洛楽」の定期運転が始まります。
これまで観光シーズンに臨時列車として設定された快速特急「洛楽」。改正後は定期列車として多くの観光客の利用が期待される。写真は2015年秋シーズンのもの。 @橋本~八幡市間 2015.11.22撮影
なお、「洛楽」運転時間帯の基本運転パターンは次の通りです。特記のないものは淀屋橋・中之島~出町柳間と押しでの運転で、この他も大阪側の発着駅は淀屋橋か中之島です。
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快速特急(8両)…毎時2本
-
特急(8両)…毎時4本(全区間先着)
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淀発着の急行(7両)…毎時2本(全区間先着、夕方の淀屋橋行きの後半は全区間通しの準急に変更)
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準急(7両)…毎時2本
-
普通(7両)…毎時4本(夕方の中之島行きの後半は毎時2本)
-
枚方市発着の普通(7・8両)…毎時2本
快速特急「洛楽」運転時間帯の難点といえるのは、京橋駅基準で中書島・丹波橋へ向かう先着列車が最大16分空く点でしょうか。仕方のない面があるとはいえ、少々不便といえます。
なお快速特急のうち、出町柳行きの1本目(淀屋橋9:00発)は比叡山連絡、出町柳行きの3本目(淀屋橋10:00発)は鞍馬・貴船連絡として運転し、出町柳駅でそれぞれの方面へ向かう叡山電車の展望列車「きらら」と連絡します。
通勤快急については、従来平日に6本設定されていたのが4本に変更されます。また全列車が中之島行きでしたが改正後は1本が淀屋橋行きとなります。
快速急行については、平日において枚方市始発の中之島行き快速急行が新たに設定されます。また、快速急行・通勤快急ともに、朝ラッシュ時を問わず一部が7両編成での運転となります。
区間急行は萱島発6時台については2本増加(かわりに準急が1本減少)、萱島発7時台については通勤準急1本を廃止してかわりに区間急行を1本増発します。また、萱島発8時台後半~9時台前半には区間急行が2本増加していますが、萱島発9時台後半発のものは運転がなくなっています。
通勤準急については、このほかに最初の2本も廃止されます。また、準急についてはここでも大きく変更されていますが、書き出すときりがないので割愛させていただきます。
途中ですが、1回にまとめるには少々量が多かったため今回はここまでです。続きは次回にまわします。
参考
京阪公式ホームページ内「ダイヤ検索」「時刻表検索」(京橋駅・萱島駅・枚方市駅・樟葉駅・淀駅・中書島駅・出町柳駅・私市駅・宇治駅等の時刻表を参照しました)
および新ダイヤ案内ページ「新ダイヤの京阪特急はOKeihan! 」http://www.keihan.co.jp/traffic/specialtrain-goods/newdia20160319/
執筆:部長補佐(No.7005)
校正:部長(No.6903)
写真:No.7203
特集第一号記事本編の記事はこちらです↓
<特集> 2016年春ダイヤ改正 京阪③<詳細分析編2> (特集第一号・番外編その2)
前回に続いて、京阪線のダイヤ改正の詳細を見ていきます。前回はこちらです↓
今回も詳しく変更点をみていきましょう。
④夜間時間帯のダイヤパターン変更
平日・土休日とも、夜間時間帯においてダイヤパターンが12分サイクルに変更されます。それぞれについて、変更前後の運転本数を比較してみました。なお、運転時間帯は京都方面行きは京橋駅、大阪方面行きは全ての種別について出町柳駅基準としていますが、実際に京阪が案内で示そうとしているところとは異なる場合があるかもしれません。
※以下の表では、ダイヤパターンを基準に運転本数を記載しているため、1時間の運転本数が小数表記となっているところがあります。
<平日・京都方面行き(21-22時台)>
改正前 |
改正後 |
||
特急出町柳行き |
6本/h |
特急出町柳行き |
5本/h |
快速急行樟葉行き ※22時台後半は 急行淀行き |
3本/h |
快速急行樟葉行き |
2.5本/h |
準急出町柳行き ※一部淀行き |
3本/h |
準急出町柳行き ※一部淀行き |
5本/h |
準急枚方市行き ※22時台はなし |
3本/h |
||
普通 |
6本/h (約半数が萱島行き) |
普通 |
5本/h |
<平日・大阪方面行き(20-22時台)>
改正前 |
改正後 |
||
出町柳始発特急 |
20時台:6本/h 21時台以降:3本/h |
出町柳始発特急 |
5本/h |
21時台以降:3本/h |
樟葉始発急行 |
20時台:2.5本/h |
|
出町柳始発準急 |
20時台:6本/h 21時台以降:3本/h |
出町柳始発準急 |
20時台:2.5本/h 21時台以降:5本/h |
萱島始発区間急行 |
20時台:2.5本/h |
||
普通 |
6本/h |
普通 |
5本/h |
※この他、改正後の20時台と21時台には出町柳発淀行き急行を2.5本/h(おおむね24分間隔)設定。
<土休日・京都方面行き(20-21時台)>
改正前 |
改正後 |
||
特急出町柳行き |
20時台:6本/h 21時台:3本/h |
特急出町柳行き |
5本/h |
急行出町柳行き |
21時台:3本/h |
||
急行樟葉行き |
20時台:3本/h |
急行樟葉行き |
2.5本/h |
準急出町柳行き |
3本/h |
準急出町柳行き |
2.5本/h |
普通 |
6本/h |
普通 |
5本/h |
特に21時台においては、京阪間の通し利用においては運行間隔が均等化され使いやすくなることが見込まれるほか、淀屋橋~京橋と樟葉との間の有効本数が6本/hから7.5本/hに変わります。
<土休日・大阪方面行き(19-22時台)>
改正前 |
改正後 |
||
出町柳始発特急 |
19時台:6本/h 20時台以降:3本/h |
出町柳始発特急 |
5本/h |
20時台以降:3本/h |
|||
樟葉始発急行 |
19時台以降:3本/h |
出町柳始発準急 |
5本/h |
出町柳始発準急 |
3本/h |
||
普通 |
6本/h |
普通 |
5本/h (萱島始発) |
※この他、改正後の19・20時台には出町柳発淀行き急行を1本/h、19~21時台には淀行き普通を1本/h設定。
⑤普通香里園行き消滅
朝ラッシュ時に設定されていた中之島7:08発、京橋7:22発の普通香里園行きの時刻・行き先が変更となります(この列車に近い発車時刻の列車は京橋7:25発の普通萱島行き)。この列車は主に沿線の女子校の生徒向けに後2両が「女学生・児童優先車両」とされており(専用車両ではない)、専用の案内板が取り付けられるなど特徴的な列車として知られていましたが、行き先変更により消滅するものと思われます。
※と思っていたのですが、改正後も近い時間を走る区間急行に設定されているようです(2016/3/22 追記)
※香里園行きの普通自体は京橋0:04発で残存します。
改正で消滅する朝の普通香里園行き。@西三荘 2016/1/19
女学生児童優先車両の案内板。これも見られなくなるかもしれません。@西三荘 2016/1/19
⑥8000系の運用の変更
運用の変更により8000系を使用する特急以外の列車が減少します。
8000系電車については、プレミアムシートが導入するための改造が行われますが、8000系を使用する特急以外の列車を減らすことで、6号車のプレミアムカーへの改造の為に一部の8000系が7両に短縮された際の影響を最小限に留めるという意図が見えます。
⑦その他の変更点
-
本編第12回でも触れた通り、枚方市5:05発の始発の区間急行淀屋橋行きが樟葉5:00発の準急に変更(淀屋橋到着時間は変更無し)されます。なおこれに伴い、守口市5:27始発の中之島行き普通は萱島始発に変更されます。出町柳24:00発の普通樟葉行が枚方市行に延長されます。
-
平日早朝に運転されていた急行三条行きが出町柳行きとなります。また、23時台に設定されていた準急三条行きが消滅します。
-
平日京橋7:46発の区間急行樟葉行きが新たに設定されます(樟葉始発は従来から存在)。
- 萱島待避の準急を設定(復活)します。
全体を見ると快速特急・特急と準急(および若干ですが区間急行)の役割が増え、快速急行や急行の役割がやや減る改正といえそうです(執筆者の個人的な感想です)。
今回はここまでです。次回は阪急神戸線の改正内容について取り上げる予定ですが、変更になることがあります。
参考
京阪公式ホームページ内「ダイヤ検索」「時刻表検索」(京橋駅・守口市駅・萱島駅・枚方市駅・樟葉駅・淀駅・中書島駅・出町柳駅等の時刻表を参照しました)
および新ダイヤ案内ページ「新ダイヤの京阪特急はOKeihan! 」http://www.keihan.co.jp/traffic/specialtrain-goods/newdia20160319/
執筆:部長補佐(No.7005)
写真:No.7203
特集第一号記事本編の記事はこちらです↓
京阪5000系 45周年記念ヘッドマーク掲出中!
1970年に川崎重工より第1編成がデビューした京阪5000系は、2015年に45周年を迎えました。京阪5000系は、1960年代に京阪本線の利用客が著しく増加する中で、架線電圧600Vという低電圧や駅施設の8両編成対応化の遅れ、複々線区間の短さ(当時は天満橋~守口市のみ)といった問題を抱えつつも輸送力増強を図るために登場し、最終的に7連×7本が製造されました。
具体的には、
・全車5扉車とし、そのうち2扉について閑散時間帯は扉上部に収納していた座席を出し、着席機会を向上させる「座席昇降機能」を搭載
・京阪の車両として初、全国的に見てもまだ採用例は少なかった「アルミ合金製軽量車体」を採用
・その他、全電気指令式ブレーキ、集約分散式ユニットクーラ、ヒートポンプ式クーラによる暖房などを京阪の車両として初搭載
などなど、意欲的に新機軸が盛り込まれた車両でした。
現在、7編成49両全てが現役(うち1両は1980年に発生した京阪置石事故による廃車に伴う代替車両)ですが、2015年12月26日(土)から2016年3月27日(日)にかけて、45周年記念ヘッドマークが装着されています。
(↑ヘッドマークデザイン。5000系の5扉車という特徴を図案化している。)
今回、全7編成を撮影致しましたので、紹介させて頂きます。
5551F @西三荘 2016/1/19
5552F @西三荘 2016/1/19
5553F @西三荘 2016/1/19
5554F @萱島 2016/1/19
5555F(5555号車は有名なゾロ目ナンバー) @西三荘 2016/1/19
5556F @萱島 2016/1/19
5557F @西三荘 2016/1/19
ぜひともこの機会に乗車・撮影してみてはいかがでしょうか。
執筆・写真:No.7203
校正:部長補佐(No.7005)
<特集> 2016年春ダイヤ改正 京阪(特集第一号・その12)
昨年12月からお送りしております今回の2016年春ダイヤ改正の特集記事では、これまでJRグループのダイヤ改正内容をまとめてきましたが、今回はJRから離れ、本日発表された2016年3月19日に実施される京阪線のダイヤ改正の内容をお送りします。
※京阪ダイヤ改正については、発表された時刻表をもとに詳細をまとめた記事も掲載していますのであわせてご覧ください。
(日中の列車・朝ラッシュの大阪方面行き列車→) http://nrcofficial.hatenablog.jp/entry/toku01_ex01
(夕方以降の時間帯など→) http://nrcofficial.hatenablog.jp/entry/toku01_ex02
①特急の所要時間短縮
日中時間帯の特急列車の所要時間が見直され、上り(京都方面行き)は2分前後、下り(大阪方面行き)は4分前後の短縮となり、淀屋橋-出町柳間の所要時間は上下とも54分となります。また、これとあわせて交野線・宇治線と本線の接続が改善され、特に交野線各駅-本線京都方面各駅や本線淀屋橋方面各駅-宇治線各駅の所要時間が短縮されます。
②快速特急「洛楽」の定期運転化
現在行楽シーズンに臨時列車として運転されている京橋-七条間ノンストップの快速特急「洛楽」が定期運転となります(午前中の京都方面行き、夕方の大阪方面行きを30分おきに各5本設定)。なお「洛楽」の運転時は1時間あたり「快速特急2本、特急4本、快速急行2本」のダイヤとなります(現在の観光シーズン臨時ダイヤの午前中京都方面行きのパターンとほぼ同じ)。
京阪本線の快速特急「洛楽」や特急に使用される8000系電車。 2014.11/07
③日中のダイヤパターンの変更
①・②とは別に、日中のダイヤパターンが変更されます。具体的には、日中の急行の運転をとりやめ、かわりに準急を毎時6本、すなわち10分間隔で運転します。これにあわせて普通列車についても、枚方市行きと萱島行きがそれぞれ20分間隔で運転される形態に変更されます。
なお、特急と準急の接続は樟葉・丹波橋・三条で、準急と普通の接続駅は守口市のほか、京都方面行きのみ京橋でも行われます。この他、枚方市折り返しの普通は枚方市で特急と接続します。
プレスリリースに記載されているのは、あくまでも「接続駅」ですので、通過待避については書かれていないと思われます。したがって、準急については(特急が所要時間短縮となることも考えると)萱島駅か香里園駅で通過待避をする可能性もありますが、詳細は不明です。
④運転間隔の変更
利用状況に合わせて運転本数・間隔や運転区間・列車種別に変更が加えられますが、次の現在10分サイクルを基調とするダイヤが組まれている時間帯は12分サイクルを基調とするダイヤに変更されます。
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平日の大阪方面行きの20-22時台
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平日の京都方面行きの21-22時台
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土休日の大阪方面行きの19-22時台
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土休日の京都方面行きの20-21時台
なお、どこの駅を基準とした時間表記なのかは不明です。この他、次の変更が記載されています。
京阪線のダイヤ改正は2016年3月19日(土)に実施されます。新ダイヤの詳しい時刻は、2月下旬にも判明する見込みです。
執筆:副編集長(No.7005)
写真:部長(No.6903)
特集第一号の過去記事はこちらです↓
路線別ダイヤ研究 ~京阪本線~(起稿班研究第四号・その3)
- 京阪本線とは
京阪本線は淀屋橋~三条を結ぶ49.3kmの路線で、並行するJR京都線や阪急京都線とは異なり淀川の南側を通る。また天満橋~寝屋川信号所間は複々線となっており普通と一部の区間急行は全線外側線、大半の区間急行は守口市以西では内側線、守口市以東は外側線、その他の列車は全線外側線を走る。天満橋から分岐している中之島線、三条~出町柳の鴨東線とも一体的に運行されている。また待避可能な駅は天満橋~寝屋川信号所(緩急接続ができる駅は京橋、守口市、萱島)、香里園、枚方市、樟葉、八幡市(上り)、淀、丹波橋、深草、三条で、これらの駅で多彩な緩急接続を行っている。
停車駅
京阪電車公式サイト 電車・駅のご案内(https://www.keihan.co.jp/traffic/station/ )より
- ダイヤパターンについて
ここで日中のダイヤパターンを見てみよう。京阪本線の上り(京都方面)の日中ダイヤ は1時間で18本。特急が毎時6本走っており、10分毎の特急の間に淀屋橋発の準急・出町柳行きと急行・樟葉行きが交互に毎時3本ずつ、また中之島発の普通・出町柳行きと普通・萱島行きが交互に毎時3本ずつ入り20分サイクルのダイヤを作っている。
平日上りの夕ラッシュ時は1時間あたり27本である。10分毎の特急の間に中之島発の快速急行・樟葉行きと急行・淀行きが交互に1時間あたり3本ずつ、淀屋橋発の準急・出町柳行きと準急・樟葉行きが1時間あたり3本ずつ、中之島発の区間急行・萱島行きが1時間あたり3本、淀屋橋発の普通・出町柳行きと中之島発の普通・萱島行きが1時間あたり3本ずつ入り20分サイクルのダイヤを作っている。
平日の下り(大阪方面)の朝ラッシュ時はパターンダイヤではないが京橋を8時台に発車する列車の本数だけ見てみよう。
・通勤快急 4本(出町柳発1本/三条発3本・全列車中之島行)
・通勤準急 9本(出町柳/枚方市/樟葉発各3本・中之島行2本/淀屋橋7本)
・準急 4本(出町柳発1本/樟葉発2本/枚方市発1本・淀屋橋行3本/中之島行1本)
・区間急行 5本(全列車萱島発・淀屋橋行4本/中之島行1本)
・普通 8本(出町柳発1本/萱島発7本・淀屋橋行7本/普通1本)
と1時間あたり36本である。
- 緩急接続について
前述したように京阪本線では待避可能駅で多彩な緩急接続を行っている。ここでは駅ごとに紹介する。
・京橋…特急と中之島発着の普通と接続させることで特急停車駅から中之島線各駅への所要時間を短縮させている。
・守口市…ほぼ終日に渡って普通と急行または準急が接続する。
・萱島…日中の準急が当駅始発の普通と接続する。
・香里園…日中は急行と普通が緩急接続する。朝ラッシュ時の下りはダイヤが過密に なるため交互着発させることもある。
・枚方市…日中は特急と普通・準急が緩急接続する。
・樟葉…日中以外で普通と快速急行と接続する列車がある。
・丹波橋…ほぼ終日に渡って優等列車(特急・快速急行など)と準急・普通が接続する。
・三条…ほぼ終日に渡って優等列車(特急・快速急行など)と準急・普通が接続する。
なお、京阪本線には他に特別ダイヤがあり春や秋、正月に実施される。春と秋の特別ダイヤでは快速特急「洛楽」などの臨時列車が運転され、京都への観光客の輸送を担っている。また正月ダイヤの日中は特急、急行、普通が12分間隔で運転される。これらについては機会があれば詳しく見ていきたい。
執筆:No.7102
校正:副編集長(No.7005)