灘校鉄道研究部公式ブログ

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起稿班

日本国有鉄道D51形蒸気機関車解説

〜日本の機関車デゴイチ 蒸気機関車解説part1〜 蒸気機関車D51形は、日本国有鉄道だけでも1161両が製造され、海外にも輸出された機関車です。 また、日本では、鉄道ファンでなくてもデゴイチという愛称で親しまれています。 このデゴイチことD51形は、どのよ…

南海の車両形式(その10、6200系)

☆6200系とは? 6200系は車両性能向上・イニシャルコスト低減・機器集約化・保守低減などを考慮した高野線のフルモデルチェンジ車として1974(昭和49)年から85(昭和60)年に東急車輌で製造されました。制御方式は抵抗制御で、電動車がモハユニットとなったほか…

地方鉄道経営再建の処方箋<最終回>(起稿班研究第七号・その7)

鉄道会社の重要な副業として、「路線バスの運行」を忘れてはなりません。鉄道路線というのは都市部あるいはJRや大手私鉄との乗り換え駅への輸送に使われるという性質上、通勤や通学に使われるわけでもありますから、便利さは速達性に比例するといえます。し…

地方鉄道経営再建の処方箋<第6回>(起稿班研究第七号・その6)

前回までは、旅客収入を増やすことや経費をおさえるなど、本業たる鉄道業部門の収支を好転させる方向で経営再建を論じてきました。ですが鉄道会社は往々にしてレールフェスティバル(以下RFと呼びます)でのグッズ販売等非鉄道業部門のサービス業にも手を出…

地方鉄道経営再建の処方箋<第5回>(起稿班研究第七号・その5)

前回で、JRとの乗り入れによる旅客数増加は多くの地方鉄道にとって望みが薄いことがわかりました。そこで今回は、観光列車運行による旅客数増加という観点からの経営再建について述べたいと思います。観光列車はヒットさえすれば多少利便性が悪くても観光客…

地方鉄道経営再建の処方箋<第4回>(起稿班研究第七号・その4)

前回はJRとの乗り入れによる経営再建の可能性について少しだけ述べましたが、今回は成功例を挙げて詳しく説明したいと思います。 智頭急行という第三セクター鉄道があります。ここはまさにJR乗り入れの成功例というべきで、全国の第三セクターは赤字だらけだ…

地方鉄道経営再建の処方箋<第3回>(起稿班研究第七号・その3)

前回記事までで一通り基本的な方策の効果について見てきましたが、問題点はやはり「車との競合」です。これは抜本的な経営改革を望むならば、「車にできないサービスを提供する」ことが重要であるということを示しています。とはいえ、実現は難しいもので、G…

地方鉄道経営再建の処方箋<第2回>(起稿班研究第七号・その2)

前編では、値上げによる経営再建の可能性について述べましたが、今回はサービスの質の低下による経営再建の可能性について述べたいと思います。 この方法は、収益を高めるというよりは、経費を削るという観点のもとに基づいています。例を挙げるとすれば、減…

地方鉄道経営再建の処方箋<第1回>(起稿班研究第七号・その1)

1.まえがき 地方の人口減少が叫ばれる当世ですが、鉄道業はそのあおりを十分に受けている業種の最たるものです。利用者が少なければ、収益はおのずと減少し、赤字に転落する。これは鉄道業のみならずすべてのサービス業にいえることです。だが、経営者にとっ…

2017年第36週活動報告(てっけん。第31回)

こんにちは。活動紹介記事「てっけん。」をお届けします。この「てっけん。」では各班の活動の様子について簡単にお伝えします。今回お伝えするのは第36週(9月11日~17日)の活動報告です。 【部全体に関して】 9月14日に部内予算折衝を実施しました。部内…

和田岬線について(後編)

前回は和田岬線の路線や車両について紹介しましたが、今回は山陽本線内で行われる回送運転について紹介します。個人的には、こちらの方が興味深いかもしれません。 ④山陽本線内の回送 和田岬線の車両(103系)は、乗務員研修にも使われるため、運用のない昼間…

2017年第35週活動報告(てっけん。第30回)

こんにちは。活動紹介記事「てっけん。」をお届けします。この「てっけん。」では各班の活動の様子について簡単にお伝えします。今回お伝えするのは第35週(9月4日~10日)の活動報告です。 【部全体に関して】 ミーティングを実施したほか、予算折衝に向け…

和田岬線について(前編)

今回は、JR兵庫駅から出ている小さな路線、和田岬線について見ていきます。 ①和田岬線とは 和田岬線は、JR兵庫駅からJR和田岬駅までを結ぶわずか2.7㎞の路線です。利用者は川崎重工の勤務者がほとんどなので、ラッシュの時間帯以外は走っていないことから都…

JR西日本発足30周年切符について

JR西日本は8月28日公式ホームページ上で、会社発足30周年を記念し、2017年9月1日から「JR西日本30周年記念乗り放題きっぷ」を発売すると発表しました。このきっぷはJR西日本の新幹線を含むJR西日本全線と智頭急行線をはじめとする第三セクター路線4線の一部…

企画きっぷを考える<第7回>(起稿班研究第六号・その7)

最終回となる今回は少し趣向を変え、乗客を閑散時間帯・列車に誘導する工夫を切符の観点から見てみたいと思います。 ~山陽新幹線の取り組み~ 山陽新幹線には「さくら」、「みずほ」、「のぞみ」、「ひかり」、「こだま」という4種別の列車が運行されていま…

企画きっぷを考える<第6回>(起稿班研究第六号・その6)

~空港アクセスと企画きっぷ~ 今回は空港アクセス輸送を担う南海電鉄、京成電鉄などを例に、考察を進めていきます。 南海電鉄と京成電鉄は、それぞれ関西国際空港、成田空港へのアクセス路線を持つ鉄道会社です。南海はラピート、京成はスカイライナーとい…

企画きっぷを考える<第5回>(起稿班研究第六号・その5)

~往復形式のきっぷについて~ 今回は、主に観光目的などで使用される、往復形式のトクトク切符について述べたいと思います。 最初に取り上げるのは、「かにカニ日帰りエクスプレス」です。往復のJR特急指定席券に、1回のかに料理が付いた切符となっています…

企画きっぷを考える<第4回>(起稿班研究第六号・その4)

~外国人向けの切符~ 今回は、近年急増している外国人観光客向けの切符を見ていきます。 JRでは、訪日観光客向けに「JAPAN RAIL PASS」を販売しています。 基本的には、JRグループの鉄道・バス(高速バスを除く)と宮島フェリー・東京モノレール・一部の第3セ…

2017年第26週活動報告(てっけん。第29回)

こんにちは。活動紹介記事「てっけん。」をお届けします。この「てっけん。」では週ごとに各班の班長に提出してもらっている「活動報告書」に基づいて、各班の活動の様子について簡単にお伝えします。今回お伝えするのは第24週(6月19日~25日)の活動報告で…

2017年第24週活動報告(てっけん。第28回)

こんにちは。活動紹介記事「てっけん。」をお届けします。この「てっけん。」では週ごとに各班の班長に提出してもらっている「活動報告書」に基づいて、各班の活動の様子について簡単にお伝えします。今回お伝えするのは第24週(6月5日~11日)の活動報告で…

企画きっぷを考える<第3回>(起稿班研究第六号・その3)

~スーパーホリデーパス(井原鉄道)~ 井原鉄道は、岡山県南部に位置する総社駅と広島県南東部に位置する神辺を結ぶ私鉄です。国鉄が吉備線の延長と位置付けて計画した路線を井原鉄道が引き継いで開業させたため、路線が高規格であることが特徴です。 (↑スー…

企画きっぷを考える<第2回>(起稿班研究第六号・その2)

~関西1デイパス(JR西日本)他~ 今回は、関西に限定した乗り放題切符である関西1デイパスとそれに対抗する私鉄各社の観光向けフリーきっぷを見ていきます。 関西1デイパスは、大阪近郊区間の普通列車(特急料金の必要がない列車)が乗り降り自由となるほか、関…

企画きっぷを考える<第1回>(起稿班研究第六号・その1)

切符には日常的に使う定期券や入場券のほかにも乗り放題きっぷや運賃が割り引かれるお得な切符など、無数の企画切符があります。今回は、この企画切符についていくつかの例を挙げながら、8回にわたって様々な視点で考察します。 前半4回は様々なタイプのフリ…

2017年 新年のご挨拶(てっけん。第17回)

あけましておめでとうございます。活動紹介記事「てっけん。」をお届けします。この「てっけん。」では鉄道研究部の活動の様子について簡単にお伝えします。今回の記事では、各班ごとの今年1年の活動目標についてお伝えしますが、先に部長からごあいさつをさ…

2016年部活動総括(てっけん。第16回)

こんにちは。活動紹介記事「てっけん。」をお届けします。この「てっけん。」では鉄道研究部の活動の様子について簡単にお伝えします。通常は1週間ごとに活動内容をお伝えしているのですが、今回は2016年もまもなく終わりということで、2016年の各班の活動を…

<特集> 南海線ダイヤ改正(特集第三号・番外編その1)

JRでは毎年3月にダイヤ改正が行われますが、南海本線・空港線では2017(平成29)年1月28日(土)にダイヤ改正が行われます(高野線のダイヤ改正はありません)。前回(2014年10月)の改正が大規模だったので今回はさほど大きな改正にはならないと思いますが、当記事…

「京阪ホーム酒場」レポ

京阪電鉄中之島線:中之島駅にて、12/14(水)~12/17(土)という日程で開催されていた「京阪ホーム酒場」。その様子を視察してきましたので、寄稿しようと思います。 そもそもこの企画、今年の6月に開催された同名の企画が約7000名の動員を記録し、大変好評であ…

地方鉄道の知恵<番外編2>【地方鉄道と自然災害】(起稿班研究第三号・その12)

地方鉄道のみならず、すべての鉄道は何らかの災害の危険にさらされている。地方鉄道ならば台風による洪水、土砂崩れなどに加えて地域によっては津波、豪雪などのリスクがあり、都市鉄道であってもゲリラ豪雨や人身事故などの都市鉄道ならではの災害が存在す…

地方鉄道の知恵<第5回・後編>(起稿班研究第三号・その11)

前編はこちら↓ nrcofficial.hatenablog.jp ここからは、「おれんじ食堂」以外のレストラン列車(列車内で食事が出来る列車)について見ていきたい。 4.明知鉄道とお弁当 明知鉄道ではグルメ列車を運行している。このグルメ列車は「おばあちゃんのお花見弁当」…

地方鉄道の知恵<第5回・前編>(起稿班研究第三号・その10)

1.はじめに 今回は「おれんじ食堂」で有名な肥薩おれんじ鉄道などを取り上げ、「レストラン列車」など食事を取り入れたイベント列車の展望について考える。 2.食堂車と「おれんじ食堂」 元来、鉄道は人やものの輸送を行うことを念頭に設計されている。旅客…